抜粋内容
第40回 総会挨拶 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司
祝辞 文部科学大臣 河村健夫様代理 文部科学省大臣官房総括審議官 玉井日出夫様
祝辞 全国校園長会長代表 全日本中学校会 会長代理 総務部幹事 竹中 綺子様
総会報告
理事会報告
全国連合退職校長会綱領
記念公演 講師 美術建築家 沢 成明 演題「母とヒマラヤ」
第40回 総会挨拶 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司
全国連合退職校長会 会長 土橋荘司
本日ここに第四十回定期総会が開催されるに当たり、来賓として、文部科学省大臣官房総括審議官 玉井日出夫様のご臨席を頂き、更に、幼・小・中・高・特殊学校長会の代表の方々及び退職女性校長会・教育女性連盟の会長の方々のご出席は、本会へ華を添えていただきましたものとお礼申しあげます。
加えまして、各都道府県退職校長会の代表の方々と共にこうして盛大な総会が開催できますことはご同慶にたえないところでございます。
さて、現代社会の状況を眺めたとき、世界各地の民族的な争いや宗教上の争いが様々な形で繰り返されています。その上、世界の経済的な危機でもあり、また、国内的には単に、日本国内の問題だけで解決できない大きな問題が山積みしています。今までの事としては、牛・鶏肉の問題、鳥からの伝染病等が次から次へ事件として拡大していきました。更にイラクとの関係では日本の自衛隊の海外派遣という戦後に於ける重大な国をあげての対処で、安全確保に関して検討すべき問題、北朝鮮との拉致に関すること等、実に目まぐるしく問題がおきています。こう見ると数十年の激しい東西の対立の中で押し込められた様々な矛盾の数々が一斉に噴出してきたと見ることができます。私たちは一つの国際的な世界秩序が崩壊されて、次の新しい秩序が形成される流動的な時期におかれていると考えてよいのではないでしょうか。
今や、戦争の時代といわれた二十世紀を経て、二十一世紀の国家が世界的自覚への時代である ”知の大競争時代“という科学技術に対する期待と要請が、かつてない程高まっています。また一方、”社会のための科学“が提唱されているように新しい科学の社会との関係が模索され始めました。従って本会では特に ”教育憲章“を作成し世間一般にその成果を深めていきたいものと考え努力しています。同時に退職校長会の各会員の目やすとなる ”綱領“を作り生活の充実に役立てたいものと考え提起いたします。また、 ”教育基本法“を見直し、改正して文部科学省に提出するために組織として協力してきました。相変わらず物は豊かであるが、心の面では貧弱であり、そのため学校教育に不登校などの問題が渉発しています。特に ”道徳教育“の充実徹底した実践をはじめ、学校週五日制やそれらに伴う学力低下の関連をよくとらえ、課題解決のために努力したいと存じます。また、学校・家庭・地域社会への連携を密にして退職校長会の組織と現職校長会との連携をより深めて行く考えです。
また、退職校長会並びに会員の一人一人は生きがいを求めて生涯学習社会への積極的形成に努力する覚悟を新たにする考えです。また、教育尊重への気風を高めるための「教育の日」の全国的な盛り上げを更に強め、教育に寄与したい所存です。また、福利厚生及び叙勲の件につき努力して行く決意です。
これからも、ますます会員の皆様が、健康にご留意されることを願い、最後に全連退の発展を祈念し私の総会のあいさつといたします。
祝辞 文部科学大臣 河村健夫様代理 文部科学省大臣官房総括審議官 玉井日出夫様
文部科学大臣 河村建夫様代理
文部科学省大臣官房総括審 議官
玉井日出夫様
第四十回全国連合退職校長会総会が盛大に開催されますことを、心よりお祝い申し上げます。
本日、御参集の皆様方におかれましては、長年にわたり、学校運営の責任者として、学校教育の充実・発展のため、多大な貢献をされ、現在もなお教育界の先達として、御尽力いただいておりますことに対し、心より感謝申し上げますとともに、深く敬意を表するものであります。
去る一日、長崎県佐世保市の小学校において、六年生の女子児童が同級生に刃物で切りつけられ、死亡するという事件が発生しました。誠に痛ましい限りであり、亡くなった御手洗怜美(みたらい さとみ)さんのご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、ご遺族の方々に謹んで哀悼の意を表します。
小学校の学校内において、小学生が同級生を刃物で殺傷するという事件が起きたことを、我々は深く受け止めなければなりません。子どもたちにとって、学校が安心して学べる場であることは不可欠であり、学校の安全に対する信頼が揺らぐようなことがあってはならないと考えております。文部科学省としては、引き続き今回の事件についての状況の把握に努めるとともに、今後、このような事件の再発防止に全力で取り組んでまいりたいと思います。
さて、我が国が二十一世紀において活力ある国家として更に発展し、子どもたちが夢と希望を抱くことのできる明るい未来を切り開いていくためには、国家百年の計に立ち、「教育・文化立国」と「科学技術創造立国」の実現を目指した改革を積極的に進めていくことが極めて重要であります。
文部科学省としては、新しい時代を切り拓く、心豊かでたくましい日本人の育成を目指し、知育、徳育、体育のほか、食育も重視した「人間力向上」のための教育改革を着実に進めてまいります。
特に、学校教育の根幹となる初等中等教育の改善・充実に関しましては、次のような点に重点を置いて施策に取り組んでおります。
第一は、義務教育費国庫負担制度についてであります。本制度については、地方の自由を一層高めるため、本年度より総額裁量制を導入しているところであります。文部科学省としては、必要な見直しは行いつつも、義務教育の水準を確保する観点から、その制度の根幹は堅持していく所存でありますので、引き続き皆様方の御協力と御支援をお願いします。
第二は、「確かな学力」の育成についてであります。新学習指導要領のねらいの一つに、子どもたちに基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るとともに、それに加えて、学ぶ意欲や思考力・判断力、表現力までを含めた幅広い「確かな学力」を育成することがあげられます。
このような新学習指導要領のねらいの一層の実現を図るため、昨年十二月には、学習指導要領の一部改正を行ったところであります。
また、少人数指導や習熟度別指導など個に応じたきめ細かな指導を推進するための教職員定数改善計画を着実に実施するとともに、「確かな学力」の向上のための総合的施策である「学力向上アクションプラン」を推進しております。
第三は、「豊かな心」の育成についてであります。「豊かな心」の育成に関しては、基本的な規範意識と倫理観、公共心や他者を思いやる心など豊かな人間性や社会性を育むことが重要であります。
このため、子どもの居場所づくりによる地域の教育力の向上、学校における道徳教育の充実、奉仕・体験活動や読書活動の推進に引き続き取り組んでいくとともに、不登校や問題行動への適切な対応にも努めてまいります。また、勤労観・職業観を育成するためのキャリア教育の一層の推進を図ってまいります。
第四は、信頼される学校づくりについてです。信頼される学校づくりのためには、学校の「評価と公開」を進めることが不可欠であります。各学校におかれては、学校評議員制度の積極的な活用や、学校評価の実施と評価結果の公開、学校の情報提供に、より一層取り組んでいただきたいと思います。また、この度、新たに地域住民や保護者などが運営に参画する学校運営協議会を制度化したところであります。
本日お集まりの皆様方におかれましては、教育に関する深い知識と経験を生かし、初等中等教育の改善・充実のため御協力いただきますようお願い申し上げます。
最後に、本総会が、所期の目的を達成し多大の成果が得られますよう御期待申し上げますとともに、全国連合退職校長会のますますの御発展と、御参集の皆様方の御活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
祝辞 全国校園長会長代表 全日本中学校会 会長代理 総務部幹事 竹中 綺子様
全国校園長会長代表
全日本中学校長会会長代理 総務部監事
竹中 綺子様
平成十六年度全国連合退職校長会総会の開催誠におめでとうございます。お祝い申し上げます。
全国校園長会長を代表いたしましてお祝いを申し上げます。
本日は、全日中学校長会長の藤崎武利がご挨拶を申し上げるべきところですが、関東・甲信越大会に出席しておりますので、総務部幹事の墨田区立両国中学校の竹中綺子がご挨拶を申し上げます。
日頃より、全国連合退職校長会のご支援、ご指導に心より感謝申し上げます。
全日中も去る五月二十六日の総会で新たな組織で活動方針のもと第一歩を踏み出しました。
大きな教育改革の流れの中で全日本中学校長会として、国の施策と社会の動向を受けて、国及び文部科学省との連携のもと、学校教育の現状と課題を踏まえ課題解決に向け活動を開始いたしました。
教育研究部や教育情報部を中心に、現代の教育課題につき全国からの情報をもとに、課題解決に向け分析をしたり課題解決策を提示するなど、情報を全国に発信する事などを中心とした活動となっております。
皆様もすでにご承知のように、学校現場では、次々に教育改革の波が行政主導型で怒濤のように押し寄せており余裕のない日々ではありますが、教育経営を推進する校長としての責務を自覚し、リーダーシップを発揮しているところです。
中学校現場の最近の状況につき、特に墨田区の状況につき少しお話させていただきます。
「確かな学力」と「豊かな心」の育成をキーワードとし、基礎基本の定着を目指し、今年度は授業時数の確保に向けた二学期制の実施が行われました。また昨年、都内で行われた統一テストについては学校ごとに結果を踏まえ、学校としての指導方法や授業改善をどのようにするか「授業改善推進プラン」を作成し保護者に公開をする。さらには自由選択制の見直しや、「開かれた学校」に向け説明責任の視点より外部評価の充実に向けた保護者や生徒・教師による学校評価の実施。また学校運営協議会委員による学校評価を真摯に受け止め、学校経営に生かしていく等。さらには不登校対策等々の課題に向け取り組みが山積しております。
また、一方では小・中学生による殺傷事件など心痛める問題が多発しております。
道徳教育を重視し、心の教育を一層推進し豊かな心を育む事が一段と求められて参りました。そこで墨田区では校長が自ら道徳の授業を行い、教員の指導力向上に努めることも示されています。
また、校長の服務上の取り扱いの問題等も検討中であり、様々な課題がある中で急務を要するものから中・長期的な展望のもと取り組まなければならないことが山積している現状であります。
新しい時代を拓き、国際社会を主体的に生きる豊かな日本人の育成を目指し、校長自ら研鑽に励み、学校経営上の責任を明確にし、家庭や地域との密なる連携のもと生きる力と活力ある学校づくりを目指す創造的で拓かれた学校経営の充実に努めて参ります。
全日中としても組織の活性化を図り、組織として長期的ビジョンを見据えつつ各都道府県中学校長会との連携を図り、関係諸団体・諸機関とも連携し中学校教育に対する正しい世論の喚起に努めて行かなければと考えている一人であります。
今後とも全日中へのご指導とご鞭撻をよろしくお願いいたします。
最後になりましたが、全国連合退職校長会のますますのご発展をお祈りすると共に、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。
総会報告
日 時 平成16年6月 17日(木) 午前 10時より
会 場 江戸東京博物館一階ホール
出席者 正副会長、常任理事、理事、監事、代議員等136名。
司会・進行 廣瀬 久総務部長、戸張敦雄 総務部長
黙祷
1、開会の辞 石倉 鐵雄副会長
2、国歌斉唱 指揮・中原 事務局、 職 員
3、会長挨拶 土橋 荘司会長
4、来賓祝辞
○文部科学大臣 河村 建夫様
(代理)文部科学省大臣官房 総括審議官 玉井日出夫様
○全国校園長会長代表
全日本中学校長会 会長代理 総務部幹事 竹中 綺子様
○来賓紹介 青 事務局長
5、議長選出
前日の全国理事会で宇田川敏夫・豊島 宏両副会長が選出された。
6、議 事
第1号議案 平成15年度会務報告 戸張総務部長
第2号議案 平成15年度決算報告 藤木会計部長
・監査報告 塩田禎男監事 (P10)
第3号議案 役員承認
本年度は役員の改選期ではないが、一部に変更もあり、P6のように決定をみた。
第4号議案 平成16年度目標・事業 計画 各部長・委員長から提案 (P8・9)
第5号議案 平成16年度予算案提案 藤木会計部長(P11)
第6号議案 設立40周年記念事業実 行委員会の報告 戸張実行委員長
第7号議案 会則の一部改正等について
・会則 八木原常任理事提案
・特別会計の規定 藤木会計部長提案
・事務局規定 青事務局長提案
第8号議案 「綱領」について(P7) 廣瀬綱領制定委員長提案
第9号議案 宣言・決議案の採択 (P7)
※各提案は質疑後、会則を除き、原案の通り承認された。
(会則は継続審議となる。)
7、感謝状並びに記念品贈呈
8、全連退の歌斉唱 指揮・中原慎三事務局員
9、閉会の辞 菅谷英孝副会長
休 憩
講演 講師 楜澤成明先生 演題「母とヒマラヤ」(P12)
感謝状並びに記念品贈呈者
(1)退任副会長
・ 稲 垣 武 一 殿 (東海北陸地区・三重理事)
・ 仲 村 起 徳 殿 (九州地区・沖縄)
(2) 退任理事
・ 村 岡 房之助 殿(福 島)
・ 小 林 齋一郎 殿(長 野)
・ 南 典 二 殿(石 川)
・ 西 村 昭 平 殿(岐 阜)
・ 村 松 準 二 殿(静 岡)
・ 太 田 弘 殿(愛 知)
・ 長 村 治 殿(大 阪)
・ 松 井 朗 殿(岡 山)
・ 丸 子 要 一 殿(広 島)
・ 濱 田 禎 一 殿(山 口)
・ 鵜 川 安 雄 殿(香 川)
・ 小 嶋 留 次 殿(宮 崎)
理事会報告
日 時 平成16年6月16日(水) 午前一時より
会 場 江戸東京博物館一階会議室
出席者 正副会長、常任理事、理事、監事等77名。
司会・進行 廣瀬 久 総務部長、戸張敦雄 総務部長
1、開会の辞 石倉 鐵雄副会長
2、会長挨拶 土橋 荘司会長
3、総会運営について 戸張総務部長
4、平成15年度会務報告 総務部長より一括
5、平成15年度決算報告 藤木会計部長
・監査報告 塩田禎男監事(P10)
6、宣言・決議文案作成
九名の副会長によって ”宣言・決議 文案作成委員会“を設置し作成。そのため、理事会は暫時休憩
・再 会
7、役員の交替 今年は交替年度ではないが、一部交代もある。副会長、監事は、総会承認が必要なので、ここで報告する。
8、総会の際の議長候補の選出
慣例等により事務局長より(案)を発表し承認を得る。
・宇田川敏夫(東京)
東京地区副会長
・豊島 宏(愛媛)
四国地区副会長
9、平成16年度「目標」並びに事業計画 各部長・委員長から提案 (P8・9)
10、平成16年度予算案 藤木会計部長提案(P11)
11、設立40周年記念事業実行委員会報告 戸張実行委員長
12、会則の一部改正等について
・会則 八木原常任理事提案
・特別会計の規程 藤木会計部長提案
・事務局規程 青 事務局長提案
13、「綱領」について (P7) 廣瀬綱領制定委員長提案
14、宣言・決議文案発表 石倉鐵雄文案作成委員長
15、全連退の歌斉唱
(進行時間の都合で中止)
16、連絡・依頼事項
17、閉会の辞 宇田川敏夫副会長
終了後、別会場にて
○懇親会(PM5:30~)
全国連合退職校長会綱領
われわれは 全国連合退職校長会の設立以来の歴史や活動を継承し わが国の教育の将来を見定め 会員としての自覚と誇りをもって ここに綱領を制定する
一 教育尊重の気運を高め 日本の教育の振興に寄与する
一 生きがいをもって生涯学び続け 充実した生き方を実現する
一 会員の親睦を図り 福利・厚生の拡充に努める
一 地域の教育・文化の向上や 良好な環境の形成に尽力する
一 関係機関・団体と連携・協力して 活動の発展を図る
平成十六年六月十七日(設立四十周年)制定
記念公演 講師 美術建築家 沢 成明 演題「母とヒマラヤ」
講師 美術建築家
楜 沢 成 明
演題「母とヒマラヤ」
・先生は、一九三六年(昭和11年)に東京でお生まれになられ、戦時中は長野県安曇野に疎開された。
・文京区立第六中学校から、都立小石川高等学校へ進学。(ここで、土橋会長の教えを受ける。)
・小石川高校時代は、サッカー部に所属し、GKとして東京都選抜、東日本選抜に出場。
・早稲田大学理工学部、建築科に学ばれ、卒業に際して、「村野賞」を受けられる。
・一九六九年(昭和44年)港区赤坂に(株)アトリエドムを設立し、現在に至っておられる。
〈主な職歴として〉
・早大講師、NHK、千葉TVに出演されることが多いし、朝日カルチャーセンター講師(世界の都市、住宅設計)も勤められた。現在は、海外の建築ツアーのコーディネーターをされるほか、ヒマラヤエリアで行動、活躍中である。
○講演要旨
先生の生育歴の中でも、先生の心に深く影響力のあったご母堂との思い出を語られながら、ヒマラヤエリアでのご自身の各種の行動や活躍を、スライド解説にて、具体的にお話された。詳しくは次号に掲載します