全国連合退職校長会
会長 田中 昭光 

 本日は、令和六年度第六十回全国連合退職校長会総会開催に当たり、全国各地から代議員・理事の皆様方にご参加頂き誠に有難うございました。

 また、多くのご来賓のご臨席を賜り、総会開会行事に華を添えていただきましたこと、心より感謝し御礼を申し上げます。

 新年早々「能登半島地震」が発生し石川県、新潟県、富山県、福井県の皆様にとって大きな災害となりました。全連退では、四地区の皆様方に対しお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心よりお祈り致します。全連退としては、自然災害により被災した地域の復興・創生と教育環境の正常化を政府や関係機関に要望していきます。

 今年度の活動目標・事業計画の作成に当たっては、前年度の活動・課題の評価と各退職校長会からの要望・意見を踏まえ作成しました。会員の皆様にはご理解頂いていることと存じますが、この五年間に会員が五千余名減となり経費を削減し一部の活動を縮小しなければならない事態となりました。少子化の影響による学校の統廃合や地方公務員法の改正による定年延長などにより近年入会者が減少しております。今後の活動を停滞させないための対策が喫緊の課題となっています。

 創立以来、退職校長会の活動目標として教育尊重の気運を高め、教育の振興に寄与することを掲げ、地域の教育・文化の向上に尽力することを今後も継承していきます。

 政府は、国の教育政策全体の方向性や目標・施策などを定める教育振興基本計画を策定していますが、平成20年に初めて策定されて以降、5年おきに見直されてきました。令和5年6月に閣議決定された第4期教育振興基本計画は、急激に変化する予測困難な時代に一人一人が社会の担い手となることそして社会全体のウェルビーイングの向上を目指し、教育の羅針盤となる計画になっています。今回の計画の基本方針は、「持続可能な社会の創り手の育成」と「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」です。具体的には、前者は、主体性、リーダーシップ、創造力、課題設定・解決能力、論理的思考力、表現力などを備えた人材の育成などであり、後者は、幸福感、学校や地域でのつながり、協働性、利他性、多様性の理解、自己肯定感、自己実現等を調和的・一体的に育むなどであります。

 文科省は、人材確保に向けた給与増や働き方改革の具体策として、教職調整額を10%以上に引き上げ、学級担任の手当増、管理職手当の改善、働き方改革として残業時間を平均20時間、指導・運営体制の充実などに取組むと公表しました。これらのことを前向きにとらえていきたいと思います。

 私は、学校・教育委員会の取組として勤務時間、教育課程編成の見直し、教師が教師でなければできない業務に集中できるために、学校・家庭・地域の連携、役割分担の見直しが必要であると考えます。全国連合退職校長会としては、今後も全国の退職校長会と連携・協力し、国や関係機関に対して要望活動を継続してまいります。

 最後に、会員の皆様のご活躍とご健勝を祈念しご挨拶とさせて頂きます。

令和6年6月7日