抜粋内容

年頭随想 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司

全国校園長会会長より
高等学校教育の当面する課題 全国高等学校長協会 会長 島宮道男

学校教育法改正に基づく特別支援教育元年に向けて 
                    全国特殊学校長会 会長 神尾 裕治

第3回事務局長会報告

年頭随想 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司

全国連合退職校長会
会長 土橋荘司

明けましておめでとうございます。昨年は台風などの自然災害が次から次と連続的に発生し、今までにない環境破壊の被害を受け、人命も予想以上に失われ、今更大自然の偉大な力を人類に示してくれました。また同時に人間の生命の価値が重大なことを反省させられました。

さて、昨年の記事で露伴を述べたが更に今年も続けたい。一日の稽古が終わると幸田文は子供心に大した稽古であったことを悟り、謙虚な気持ちで素直に頭を下げて箒と平行に坐って礼をする。父の許しがあって歩き出すと「あとみよそわか」と父は言った。何のことか解らなかったので振り返ると「女はよく心を使うからもういいと思っても、もう一度よく呪文をとなえて見るんだ」という言葉が返って来た。則ち「あとみよ」は「あとを見よ」で「そわか」は成就あれという意で何か有難味をかもし出したいセンスで殘心がある。 「格物致知」は露伴が生涯を通じて言い通した言葉である。それは、学問修養の一つであり朱子学と陽明学の両方の意味が記されていた。 

朱子学では後天的知を拡充(致知)して自己とあらゆる実物に内在する個別の理を深く窮め、究極的に宇宙普遍の理に達する(格物)ことを目標にする。 陽明学では先天的道徳知を窮め、究極的の良知を十分に発揮(改良知)し、それによって物事に正しく処する(格物)ことを目指す。幸田文の言葉から知行合一の陽明学の方向で露伴を考えると良いと思う。 

また時に父はどこの家でも女どもは綺麗にする気でやっているがだんだんきたなくなって行く。住み古した味のある家などそうないがお前は廊下をどう思うかと聞かれた。黒く光ってなかなかいいと言ったら「お前は何故黒いか解るか」と聞く。黒くなる木といったら上を向いて笑われた。そんなことあるか、長年つかった雑巾のあかのせいだ、結構なものを知らずに困った子だとあわれまれたことがあった。雑巾は刺したものよりどちらかというなら手拭いがよい。その手の大きさも八つ折にして掌からはみ出たくらいが目安と教えてくれた。露伴の教えはなかなか面白い。

全国校園長会会長より
高等学校教育の当面する課題 全国高等学校長協会 会長 島宮道男

全国高等学校長協会
会長 島宮 道男

昨今、教育改革が急ピッチで進められている中で、特に二つのことについて述べさせていただきます。

一つは、「必履修科目の未履修」問題であり、それが全国的な広がりを見せたことです。問題発生の背景には公立進学校に対する生徒や保護者の期待、進学実績に対する地域の評価、土曜授業を行っている私立高校との競争、予備校が少ないことなどがあると考えられます。このような背景に加え、国公立大学における大学入試センター試験5教科7科目と現行学習指導要領における必履修科目の定めとのズレなどが原因とも言えます。

生徒が多様化している現在、「高等学校教育」に期待されるものは「社会人としての基礎的な力の育成」から「高等教育に対応しうる基礎学力の育成」までかなり幅が広く、学校ごとにその使命も多様であります。今後は、「高等学校教育のあり方」について論議を深めた上で、学習指導要領の見直しを進めていく必要があります。

二つ目は、教員に関わる制度改革として、「教員免許更新制」と「教員給与見直し」です。免許更新制は、免許の有効期限を10年にするもので、更新講習の受講と修了が条件となります。また、教員給与は、「人材確保法」による優遇措置の廃止と「諸手当の見直し」であり、給与表の複数化、教員評価による昇任・昇給などが検討されています。教員を希望する優秀な人材の確保と働く意欲が湧くような制度設計にすべきと考えております。

学校教育法改正に基づく特別支援教育元年に向けて 
   全国特殊学校長会 会長 神尾 裕治

国特殊学校長会
会長 神尾 裕治

特別支援教育に移行するための学校教育法の一部改正関連53法案が平成18年4月に参議院、6月に衆議院を通過し、6月21日に公布されました。平成19年4月の施行に向けて、設置者である都道府県等においては、条例改正等、特別支援教育体制整備に向けて早急に準備しております。

学校教育法の改正によって、盲聾養護学校は障害種別を超えた特別支援学校に一本化され、特別支援学校は地域の保育所・幼稚園・小中学校・高等学校等に在籍する障害のある幼児児童生徒に、要請に応じて指導助言に努める役割を持ちます。

また、第75条に、幼稚園・小中学校・高等学校等は、LD・ADHD・高機能自閉症を含む障害のある幼児児童生徒に対して適切な教育を行うこととされました。つまり、通常の学級において障害のある子どもへの理解を進め適切な教育を行わなければならないということです。

そのため、国においは、現在、その具体的基準となる学習指導要領の改定、及び特別支援学校のセンター機能や小中学校等の特別支援学級等の学校施設整備指針の改定を精力的に検討しております。

これからは、私ども特別支援学校と幼稚園・小中学校・高等学校等とが、ともに手を携えて障害のある幼児児童生徒の教育の充実に積極的に取り組むことが重要になってきます。私ども全特長は教育・福祉・医療・労働等関係機関とのネットワークの構築に全力を挙げて取り組んでいきますので、今後とも全国連合退職校長会の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

第3回事務局長会報告