1 追加費用対象期間(恩給給付等)のある年金額の改定

 平成24年8月に公布された「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(被用者一元化法)」により、被用者年金制度の安定性、公平性を確保するため、共済年金(公務による生涯共済年金または公務による遺族年金を除く)の追加費用対象期間に係る給付が今秋10月定期支給期から引き下げられることとなった。

■ 共済年金の追加費用とは ━ 現在の共済年金制度が施行された昭和37年12月前の恩給またはそれに準じた年金制度が適用されていた期間のことをいう。

■ なぜ引き下げられるのか ━ 共済年金制度は組合員が積立てる掛け金と地方公共団体の負担金を財源としているが、現在の共済年金制度が施行されたとき、追加費用期間も共済年金に算入して決定・支給することになったため、追加費用に係る財源は、その全額を地方公共団体が追加費用として負担している。しかし、追加費用に係る部分の本人負担という観点から地方公共団体の負担を抑制するために給付の見直しを図るために改定されたといえよう。(沖縄の年金加入者については、別途適用あり)

■改定対象は ━ 昭和37年12月までに採用され、同年12月以降に退職した人。昭和37年12月以降に採用された人は改定対象外となる。

■どのくらい年金額が引き下げられるのか ━ 次の3項目のうち最も高い額が改定後の年金額となる。①現在の年金額から追加費用対象に係る部分の27%を控除した額 ②年金額から年金額の10%を控除した額 ③補償額(共済年金+老齢基礎年金)230万円   ※27%とした根拠は省略。

■いつから引き下げられるのか ━ 平成25年10月定期支給期以降から、つまり12月から減額される。改定される具体的な内容は、公立学校共済組合からの「年金額改定通知書」(9月)により示される。

※参照 公立学校共済組合発行「年金フォーラム」第71号

2 特例水準による年金額の改定

年金額は毎年の物価や賃金の変動に応じて、翌年度の年金額が増減される仕組みになっている。平成12年度から14年度にかけ物価が下がったが、当時の政府は高齢者の暮らしに配慮して、10年以上も年金の支給額を据え置いてきた。本来の算出額より2.5%の高い水準(特例水準)[年間約1兆円]となっている。大きく分けて、次の改定が行われることに決まった。

(1) 年金支給額を本来の水準に引き下げる。(平成25年10月~3回に分けて施行)▼平成25年12月定期支給期から1.0%減   ▼平成26年4月定期支給期から1.0%減  ▼平成27年4月定期支給期から0.5%減

(2)年金受給に必要な加入期間を短縮する。(平成28年10月~) 

(3)低所得の年金受給者への給付金を創設する。(平成28年10月~)

(4)パートなどへの厚生年金適用を創設する。(平成27年10月~) 

                                            以 上