抜粋内容
平成十四年度の『要望書』を文部科学大臣、財務大臣、厚生労働大臣へ提出
〔全国校園長会長より〕
幼稚園の役割 全国国公立幼稚園長会 会長 斎藤實
〔全国校園長会長より〕
活力ある校長会に 全国連合小学校長会 会長 西村佐二
〔地方紙紹介〕(山口県)
「親の子育て十撰(実践)」
平成十四年度の『要望書』を文部科学大臣、財務大臣、厚生労働大臣へ提出
平成十四年八月八日、土橋会長は、戸張総務部長、青事務局長を伴い、本年度の「要望書」を提出した。
例年、「要望書」は、文部科学大臣宛だけであったが、本年度は、全連退の要望が的確かつ効果的に聞き届けられるよう考慮し、内容によって三つの省に分けて作成し、財務大臣、厚生労働大臣へも要望した。
▼ 遠山敦子文部科学大臣への要望書は、大臣が急な出張で不在のため、省内応接室において豊田三郎秘書官に渡し、大臣への取り次ぎを依頼した。
土橋会長から、・ 教育基本法の在り方についての答申に、本会の改正教育基本法の精神を生かすこと。・ 「教育憲章」並びに「教育の日」の制定を図ること。・ 「道徳(倫理)主任」の配置が喫緊の課題であること。・ 義務教育費国庫負担制度を維持すること。・ 新学習指導要領に基づく学校教育への国民の懸念を払拭する施策について。・ 退職校長の活用及び福利厚生についての要望とともに意見を述べた。
秘書官より、『全連退の要望並びに意見には、同調できる部分が多い。とくに、義務教育費国庫負担制度の堅持には全力を尽くす所存である。また、今後の概算要求等に向けて、子どもの学力対策を盛り込んでいきたい』との考えが述べられた。
さらに、叙勲制度については、多くの他団体と協調し、更に意見書を初中局へ提出されることを希望する旨の発言があった。
これは、今後の緊急課題であると受け止めた次第である。
▼ 塩川正十郎財務大臣への要望書は、財務省の後藤 学大臣秘書官に渡し、林主計局長を経由して大臣へお届け願いたい旨依頼した。
土橋会長から、・ 義務教育費国庫負担金制度の堅持。・「共済年金制度」の堅持。・ 年金の物価スライドの見合わせについて要望した。
秘書官より、年金の物価スライドについては、一定のご理解を賜りたい旨述べられた。
▼ 坂口 力厚生労働大臣への要望書は、大槻芳弘年金局書記官に渡し、辻年金局長を経由して大臣へお届け願いたい旨依頼した。
要望書提出を終えて
全連退として、はじめて、財務大臣、厚生労働大臣へ要望書を提出した。両大臣とも、多忙のため、日程の調整ができず、時間を約束しての会談ができなかった。
今後は文部科学省のみならず、内容により関係する省庁への要望、意見交換等に努めたいと考えている。
(文責 戸張総務部長)
「要望書」の全文を次に掲載する。
〔全国校園長会長より〕幼稚園の役割 全国国公立幼稚園長会 会長 斎藤實
全国国公立幼稚園長会 会長 斎藤實
国公立幼稚園を取り巻く状況で危惧されることが二つある。
一つは、幼稚園教育に対する誤解や理解不足である。幼稚園では子どもを遊ばせているだけという見方や幼稚園は学校ではないという認識である。併設小学校の教員でさえも、そのように考えている者がいるので、一般ではかなりの割合でそう捉えていると思われる。
もう一つは、公立幼稚園の保育所化の動きである。保護者のニーズということで、長時間子どもを預かることや幼稚園と保育所を一体化して保育所的な運営をすることである。勿論、預かり保育などの弾力的な運営や保育所との一体化が地域によっては必要なことも事実である。しかし、それによる幼稚園教育の質の低下は絶対に避けなければならない。
このような状況を踏まえ、国公幼は、「幼稚園教育の重要性のPR」と「幼稚園の役割をしっかり果たす」ことに取り組んでいるところである。教育機関である学校としての幼稚園の役割を明確にして、幼稚園教育のどの部分が小学校のどの部分に関連していくかなどを、具体的で論理的にわかりやすく伝えていく必要性を各園長に訴えている。また、幼稚園のもう一つの役割として、「親の子育て支援」が求められている。社会生活が多様化するなかで、子育てへの悩みや不安をもつ親に対し、幼児教育のプロとして子育て相談に応じていくことが必要とされている。そのことが、子どもの教育にとって欠かせないからである。
先輩方の力強い後押しをお願い申し上げて、ごあいさつといたします。
〔全国校園長会長より〕活力ある校長会に 全国連合小学校長会 会長 西村佐二
全国連合小学校長会 会長 西村 佐二
貴会が、教育基本法の見直しをはじめ、教育の日制定等、教育の正常化に向け、精力的に活動されていることに、まずもって敬意と感謝を申し上げます。
さて、今、学校は、二十一世紀の新しい時代にふさわしい教育の在り方を求めての大きな教育改革、学校改革のまっただ中にあります。
これは、都の校長会ですが、昨年度、月一回開催されました都校長会幹事会における協議情報交換の際の協議題には次のようものがありました。
○新教育課程全面実施に向けて、その準備状況 ○完全学校週五日制における経営上の諸問題 ○勤務時間の割り振りの見直しについて ○人事考課制度について現状、二年目の課題 ○学校評議員制度について現状、課題、運営方法 ○国旗・国歌について ○学校選択、自由化について、地区の現状、問題点等 ○総合的な学習について ○英語学習導入の状況
本年度は、この他にも、完全学校週五日制及び新学習指導要領全面実施にかかわる諸課題、義務教育費国庫負担金を地方への移譲財源の一つにしようとすることへの対応、さらには、半世紀ぶりの学校設置基準の改定に伴う開かれた学校づくりと学校の自己評価システムの確立など、緊急な対応が求められる課題が山積しています。
このように、様々な教育課題がスピードを伴って提起される今日、全連小としてこれらの課題に正対し、互いに情報を交換し合いながら、様々な活動を通して組織としての凝集力を高め、活性化させながら、活力ある校長会を創り上げていきたいと考えています。
〔地方紙紹介〕(山口県)「親の子育て十撰(実践)」
山口県退職校長会では、結成三十五周年へ向けての課題「徳性を育む心の教育の推進」事業の一つとして、標記の資料を作成されました。
これは、幼児から小学校低学年の子どもを持つ親を対象に、今日の子どもに特に必要なこと、最も欠けていると思われることを、「心」「行動」「人間関係づくり」の問題として一本の大樹に見たて、心をひきつけることばとレイアウトを工夫し、カラー印刷一枚で表現されています。
家で壁などに貼り、家庭での子育ての折々にちょっと見て、反省・チェックのために活用してもらいたいとのことです。会員の皆さんにも、地域の子育て研修会や話し合いなどで話題にしてもらいたいとのことです。