抜粋内容

巻頭言 全連退設立四十周年に思う 副会長 石倉鐵雄
平成16年度の『要望書』を河村建夫文部科学大臣、坂口力厚生労働大臣に提出

副会長・常任理事 合同会議報告

巻頭言 全連退設立四十周年に思う 副会長 石倉鐵雄

全国連合退職校長会
副会長 石倉鐵雄

全国連合退職校長会が設立されてから、四十周年の記念すべき年を迎えた。事務局では、関係者による十月十六日の記念式典へ向けて、着々と準備が進められている。

この四十周年という節目を迎え、私の心をよぎったのは、論語・為政第二篇の、孔子の自叙伝『子曰、吾十有五而志于学、三十而立、四十而不惑、? 以下略 ?』の条の、『四十而不惑』である。大意は、『自己の学問に対して、自信を得、自己の目ざす方向が、人間の生活(生き方)として、妥当なものであることを確信するようになった。』と、いうのである。

本会も設立四十周年、即ち、「不惑」の年を迎えたのである。

本会の歩みを『四十而不惑』に当てはめて考えるならば、「我々は、全国連合退職校長会の設立以来の活動に自信を持ち、この会の目ざす方向が、学校教育の責任者のOBの集団として、妥当なものであることを確信するまでになった。」と、いうことになるであろう。が、果たしてそういえるかどうか。

設立時の、先達の「おもい・ねがい」に思いをいたし、改めて、四十周年の意味を考えたい。

六月の総会において、本会の「会則改正案」は継続検討となった。が、本会の目的を謳った第二条の本旨「教育尊重の実を挙げ、日本の教育の振興への寄与」。及び、第三条の目的達成のための事業「都道府県・特別市の退職校長会との連携強化、会員相互の研修と親睦。現職校長会・教育諸団体と連携し、中正健全なる教育世論の喚起と教育の充実発展。関係諸団体と協力し会員の福祉の拡充。等々」に掲げられているものは、変わらないだろうし、また、変える必要はない。

会員の目的・目的達成のための事業、及び、「全国連合退職校長会綱領」の趣旨に則って、全会員が思いを新たに、組織として或いは、個人として、自覚と誇りをもって連携を密にし活動したいものである。

就中、「教育の日」の啓発・浸透・充実を図り、教育尊重の気風を根づかせ、教育者を尊敬し信頼する、教育風土を再生させたい。

平成16年度の『要望書』を河村建夫文部科学大臣、坂口力厚生労働大臣に提出

平成十六年八月三日、廣瀬、戸張両総務部長、内田福利厚生部長、青事務局長は、全連退の平成十六年度「要望書」を河村建夫文部科学大臣と、坂口 力厚生労働大臣(代理として年金局、貝谷 伸総務課長)へ提出し、意見の交換を行った。

一、文部科学大臣への「要望書」と、意見交換について。

 文部科学大臣  河村 健夫 殿

    平成十六年八月三日
      全国連合退職校長会
      会長 土橋 荘司

  
要 望 書

『心豊かでたくましい日本人の育成』を目標に掲げて活動している全国連合退職校長会は、そのための教育の実現を願い、左記事項を要望する。

I  教育上の諸課題解決に関する要望
1、教育基本法の改正を、速やかに推進されたい。
2、「義務教育費国庫負担制度」及び、「人材確保法」を堅持し、教育水準の維持向上に努められたい。
3、国民挙って教育の在り方を考える日としての、「教育の日」の制定を主導されたい。
4、教育の資質向上策の一環として、教員免許の授与に国家試験を導入すること、及び、教員免許の更新制とそれに伴う処遇の改善を図ることを実現されたい。
5、各学校が、その自主性、自律性が発揮できるよう、教育委員会との関係に特段の配慮を願いたい。
6、学校教育、家庭教育、社会教育の役割と責任を明らかにし、その連携強化を図られたい。
7、教育に関する諸施策の企画実施に当たっては、校園長会の意向を尊重されたい。

II  学校教育の振興に関する要望
1、最近、学校における「豊かな心の育成」の充実が求められている。そのため、各学校に、「道徳(倫理)主任」の早急な必置を強く要望する。
2、完全学校週五日制の実施によって各学校に生じた諸課題解決のため、この制度の弾力的な運用を可能にされたい

III  校園長の活用及び福利厚生等に関する要望
1、文部科学省の設置する審議会や研究協力者会議等の構成員に、退職校園長を登用されたい。
2、春秋叙勲に当たり、義務教育関係者やそれに準ずる者を重視されたい

〈意見交換〉
  今年は、議会開会中にもかかわらず、河村文科相にお会いすることができた。
  時間を差し繰ってくださった文科相に、心から敬意と謝意を表した。
  はじめに、廣瀬部長より「要望書」について説明し、意見交換を行った。

河村文科相の発言要旨
○ 教基法については、宗教観等について公明党との協議が必要であるが、
   現在、省内で法案作成中であり、次期定例国会に提出する。
○ 「教育の日」については、国としては、「教育月間(仮称)」とすることを考えている。
  全国統一の「教育の日」としては、”新教基法の施行日“ とすることは如何か。
○ 教員免許の更新制については、「文科相の私的懇談会(座長 牛尾治朗ウシオ電機会長)の提案に基づき、
   本格的な議論を始めている。
○ 教員になるためには、学部卒業後二年間ぐらいの大学院での勉強が必要であろう。

注 文科省は教員免許の更新制、専門職大学院の設置等について、”義務教育制度改革案“ をまとめ、公表し、具体化することが、平成十六年八月八日付で報道された。

 八月八日付の ”義務教育制度改革案“には、
(1)義務教育九年間で身につけるべき資質や能力の到達目標の明確化。
(2)「6・3制」の区分の弾力化。
(3)保護者や住民が学校運営に参加する「学校評議員」「学校運営協議会」の設置促進。
(4)教員人事や学級編成の権限を都道府県から市町村、学校に移譲すること。
(5)教育の機会均等、教育水準の確保、無償制という義務教育の根幹は国が守り、国が示す基準は、必要最低限にとどめる。
ことなどが示されている。
全連退としての対応を急ぐ必要がある。

○ 学校週五日制については、明確なコメントはなかったが、土曜日を「心の教育の場」とすることを考えたい。
○ 学校週五日制について、私学の対応に課題があると考えている。
   より多くの私学が五日制のもとでの授業を行うよう努力していく。

 大臣のご発言の間に、参加した各部長からコメントを引き出す発言をするなど、例年よりやゝ深まった意見交換ができたと思っている。

二、厚生労働大臣への「要望書」と、意見交換について。

  厚生労働大臣    坂口  力 殿

    平成十六年八月三日
      全国連合退職校長会
      会長 土橋 荘司

要 望 書

1、退職公務員の生活安定を堅持するため、共済年金制度の存続に努められたい。
2、年金支給年齢の繰上げにより、特に六十五歳までの再雇用・再任用制度の充実・促進に尽力されたい。
3、医療保険制度改革にあたり、加入者の保険料負担や患者一部負担金等について、高齢者にとって過重な負担とならないよう配慮されたい。
4、介護保険制度の見直しにあたり、基盤整備を含め、要介護者のニーズに応えられるよう配慮されたい。

〈意見交換〉
  廣瀬、内田両部長の説明をもとに、例年になく二十分間にわたり、貝谷総務課長との会談ができたことは、特筆することである。

貝谷課長の発言要旨
○ いずれの要望も重要なことであり、貴意を尊重して対処する。とくに、公務員の共済年金制度は、現職の公務員の意欲、資質の向上につながる内容と理解し、退職後の生活に陰が生じないよう対応する。
○ 再雇用・再任用制度等、全国的にみると不十分であると認識している。「促進されたい」との要望に従い努力する。
○ 医療保険制度が75歳を境界にすることが一般にわかりにくい。一年ぐらい必要と思うが、制度化に向けて努力する。
○ 介護保険については、その骨子を七月三十日(平成十六年)にまとめた。基準のキーワードは、「自宅もしくは、近隣の施設で暮らせる介護」としている。
   来年の通常国会へ法案を提出する予定である。

 おわりに課長は、介護制度にお世話にならない。いわゆる、 ”介護予防“に考え方を転換していこうと考えている旨発言があった。
  本会の要望は、いずれも要点をとらえたものである。
  今後の施策や法改正に注目していきたい。

(文責 戸張総務部長)

副会長・常任理事 合同会議報告