抜粋内容
年金制度改革に関する「要望書」の緊急再提出について
福利厚生部長 小川 嘉一郎
文部科学省、銭谷初等中等教育局長との懇談会の報告
出版委員会情報 出版委員長 目賀田 八郎
全国五校種の校園長会会長との連絡会の報告
年金制度改革に関する「要望書」の緊急再提出について
福利厚生部長 小川 嘉一郎
文部科学省、銭谷初等中等教育局長との懇談会の報告
1.日 時
平成18年1月19日(木)、午後1時より2時30分。
2.会 場
三菱ビル(文科省隣り)会議室。
3.出席者
○文科省 銭谷眞美初等中等教育局長、大金伸光初中局教育企画課中学校連絡調整官
○全連退 土橋荘司会長、各部長、各委員長、事務局長、事務局職員 計十三名。
4.懇談会の概要
司会 全連退 廣瀬 久部長
① 全連退 土橋会長あいさつ
・本日はこのような機会を設けていただき、ありがとうございました。
・戦後60年たって、今の現状を見ると、いろいろな評価があるにせよ、イレギュラーな社会的状勢が多い気がする。本日はそれらを考究していく取っかかりになるようなお話を期待している。
・学校にかかわっては、学校五日制や教育課程、学力の問題、さらに具体的には基礎・基本の定義や習得のあり方など重要で考えてみる要がある。
・教育改革での規制緩和にかかわって、本来の国の責任そのものが、かなり地方へ付託されているが、学校と塾の関係で、学校へ塾が入ってくることなどちょっと異常に思える。
・本質的なものを掘り出すには時間がかかるが、拙速は避けるべきである。例えば義務教育のことを考えた時に、ただその年限を増やせばいいのではなく、義務そのものの性格を明確にし、日本の国らしきものを創っていくべきだと思う。文部科学省はそうした方向性を与えてほしい。
・われわれは退職校長ですが、われわれがやってきた時代が最高とは言わないが、いろいろな意味の問題を含みながら頑張ってきたわけである。文部科学省のご要望などには、できる範囲で協力し、努力していきたい。
② 銭谷初中局長のお話
○最近の教育をめぐる動向について
本日このような機会をいただき、ありがとうございました。我々の大先輩である全連退の先生方におかれましては、日頃からご経験を踏まえた様々なご意見をいただいており、この場をお借りしてお礼申し上げます。
今日は限られた時間ですが、義務教育を中心に、最近私が考えておりますことを、まずお話ししたいと思います。
近年、学校や通学路で子どもに危害が加えられる事件が後を絶たない状況にあります。こうした状況を受け、学校の安全・安心の確保が大きな課題になっておりますが、かつて校内暴力やいじめの問題がクローズアップされたときと比べると、社会全体で子どもの安全・安心を確保しなければならないという気運が醸成されてきているのではないかと思います。
昨年は、義務教育費国庫負担制度をめぐる議論が白熱した年でした。「三位一体の改革」において、全国知事会等の地方六団体の主張は、義務教育費国庫負担金を廃止し、地方へ税源移譲をすべきというものでした。この取扱いについては、平成17年11月末の政府・与党合意において、制度を堅持すること、国庫負担割合を小中学校を通じて三分の一とすることが決定されました。国庫負担の割合については平成17年10月の中央教育審議会答申(新しい時代の義務教育を創造する)の通りではありませんが、義務教育の教職員給与費の全額が保障される制度は今後も維持されるべきとする答申の基本理念は踏まえられており、「義務教育費国庫負担制度を堅持する」と明記された点は重要だと考えております。また、政府・与党間の協議における経過を踏まえれば、三分の一という負担割合については、さらに削減されることのない恒久的な意味合いを持つものと考えております。
また、昨年末には、公務員の総人件費改革が議論されました。昨年末の閣議決定(行政改革の重要方針)で公務員の定員の純減目標が示されましたが、その際、教職員の取扱いが大きな問題となり、政府部内での調整の結果、教職員のみならず、学校給食調理員や用務員等を含め、教育に関係する職員全体の中で純減を確保することとされました。
なお、公立学校の教職員給与に関しては、「人材確保法」について、「教職員を巡る雇用情勢の変化等を踏まえ、廃止を含めた見直しを行う」ことが決定されました。具体的には、教職員給与関係の法令を含め、教職員給与の在り方について検討を行い、平成十八年度中に結論を得て、平成20年春に所要の制度改正を行うことを予定しております。
このほか、昨年末には、制度改革の関係で、内閣府に設置された「規制改革・民間開放推進会議」が答申をとりまとめるという動きがありました。この答申に関しては、事務的な折衝の後、小坂文部科学大臣と中馬規制改革担当大臣との直接の折衝をも行ってまとまったものです。答申の中で、「規制改革・民間開放推進会議」は、免許状を有しない社会人を含む多様な人材の更なる確保や、児童生徒・保護者の意向を反映した教員評価制度・学校評価の確立などの指摘を行っています。このほか、学校選択制についても指摘を行っていますが、これについては、文部科学省の考え方と「規制改革・民間開放推進会議」の考え方に隔たりがありました。学校選択について、「規則改革・民間解放推進会議」は、学校選択は国民の権利であり、学校選択制(保護者の意見の聴取)は全ての自治体で導入するよう国として義務づけるべきという指摘を行いました。しかし、文部科学省としては、平成十七年十月の中央教育審議会の答申で、「市区町村・学校の権限と責任を拡大する分権改革を推進する」ことが必要である旨の提言をいただいており、また、地域の一体性を重視し、地域コミュニティの中で子どもたちを健やかに育んでいくという方針の下、地域ごとの通学区域制を維持する自治体でもあるという実情も鑑みると、学校選択制を導入すべきか否かは、地域の実情を十分に踏まえ、各自治体が判断すべきであって、全国一律に義務付けるべきとする「規則改革・民間解放推進会議」の指摘は適当ではないと考えています。大臣同士の折衝の場で、小坂文部科学大臣から中馬規則改革担当大臣に対して、このような文部科学省の考え方をお伝えし、折衝の結果、合意に至った部分を中心に答申はとりまとめられております。
最近の動きをいくつか紹介させていただきましたが、こうした動きの背景としては、地方でできることは地方で、民間でできることは民間でという、社会的な大きな流れが背景にあるのではないかと思います。
中央教育審議会では、平成十七年二月から十月まで、今後の義務教育の在り方について百時間を超える議論を行い、「新しい時代の義務教育を創造する」という答申をとりまとめました。義務教育の実施に当たっては、国が、全国的な水準の確保、機会均等、必要な財源の確保等についての責務を果たしながら、その上で、地域や学校が創意工夫をして、常にその時点で考えられる最善の教育が行われるようにすることが重要です。答申では、こうした義務教育の目的・理念などをしっかりと押さえた上で、新しい時代の義務教育を創造するために断行すべき義務教育改革の基本的方向性として、①国が明確な戦略に基づき目標を設定してそのための確実な財源など基盤整備を行った上で、②教育の実施面ではできる限り市区町村や学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、③教育の結果について国が責任を持って検証する、義務教育の構造改革が提言されております。この中央教育審議会の答申を踏まえ、本年度は、義務教育の一層の充実に向けて、省を挙げて取り組んでいきたいと考えています。
○学習指導要領の改訂について
次に、全連退の先生方から、事前に御質問のあった事柄について、御説明したいと思います。
まず、学習指導要領の見直しについてですが、昨年二月に文部科学大臣から示された見直しの検討課題を踏まえ、中央教育審議会教育課程部会を中心に、精力的に審議を進めていただいているところです。平成17年10月の中央教育審議会の答申において、教育内容の改善について基本的な考え方が示されておりますが、今年の二月頃に、これまでの教育課程部会の審議経過を「審議経過報告」としてとりまとめ、公表する予定です。
文部科学省としては、「基本的な知識・技能の育成」と「自ら学び自ら考える力の育成」とは二者択一的なものではなく、総合的に育成することが必要であると考えられており、教育課程部会においてもそのような考え方の下、検討が進められています。
学習指導要領の見直しに当たっては、国語力の育成や、理数教育の充実などが議論されております。また、現在、総合的な学習の時間において、約7割の小学校で平均月1回程度の英語活動が行われていますが、小学校段階での英語教育をもっと充実する必要があるのではないかという意見が出されております。教育課程部会では、①必修とするかどうか、②国語力育成との関係、③中・高等学校の英語教育との関係などについて専門的な検討が行われています。
平成十七年十月の中央教育審議会の答申では、総合的な学習の時間について、思考力、表現力、知的好奇心などを育成する上でその役割は重要であるが、同時に、授業時数や具体的な在り方については、各教科との関係を明確化するなど改善を図ることが適当であるとされています。さらに学校に対する支援策の充実の必要性も提言されています。また、学校週五日制については、学校、家庭、地域の三者が互いに連携し、適切に役割を分担し合うという基本的な考え方は今後も重要であるが、学校、家庭、地域の協力・共同の取組をこれまで以上に強化するための方策、土曜日や長期休業日の有効な活用法等を更に検討する必要があるとされています。
今後、教育課程部会における審議について一定の整理ができた段階で、各教科等ごとに目標や内容等についても個別具体の検討を開始することとしています。
○中高一貫教育について
次に、中高一貫教育についてですが、中高一貫教育は、これまでの中学校・高等学校に加えて、生徒や保護者が六年間の一貫した教育課程や学習環境の下で学ぶ機会も選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性をより重視した教育を実現するため、平成11年度から制度化されたものです。平成17年4月現在で全国で173校が設置されています。
平成十七年十月の中央教育審議会の答申では、「例えば、設置者の判断で九年制の義務教育学校を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化など、学校種間の連携・接続を改善するための仕組みについて種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要がある」と提言されております。こうした点についても、今後中央教育審議会において引き続き御議論いただきたいと考えております。
○教員養成等について
今後の教員養成・免許制度の在り方については、平成17年度12月、中央教育審議会で中間報告がとりまとめられ、公表されました。この中では、改革の具体的な方策として、①「教職実践演習(仮称)」の新設・必修化といった教職家庭の質的水準の向上、②より高度な専門性を備えた力量ある教員を養成し、教職課程改善のモデルとなる教職大学院制度の創設、③教員免許状に新たに有効期限を付し、定期的に知識や技能の刷新を図る方策としての教員免許更新制の導入、などが示されています。
今後、中央教育審議会では、最終答申のとりまとめに向け、更に議論を深めていく予定であり、答申をいただいた後は、できるだけ速やかに必要な制度改正を行いたいと考えています。
○教育基本法改正について
教育基本法の関係については、平成15年3月には中央教育審議会から答申が出され、現行教育基本法の普遍的な理念は今後とも大切にしつつ、今日極めて重要と考えられる教育の理念や原則を明確にするために、教育基本法を改正することが必要であると提言されました。
また、与党においても、教育基本法の改正は大変重要な問題であるとの観点から、平成15年5月以降、「与党教育基本法に関する協議会」が設けられ、精力的な検討が進められています。
文部科学省としては、中央教育審議会答申や、与党における議論を踏まえながら、新しい時代にふさわしい教育基本法の速やかな改正を目指して、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
【質問等】
問 教科再編の見通しについて教えていただきたい。
答 これまでの教育課程部会における議論では、教科そのものの再編については、まだ具体的には議論されておりません。
問 今年元旦の読売新聞第一面のトップ記事として「幼稚園から義務教育」(政府・与党09年度導入)ということが大きく出ていたが、文部科学省としては、一応認めていると受け取ってよいか。
答 私も見ましたが、びっくりしました。文部科学省のホームページにも掲載しましたが、政府としてこうした方針を固めた事実はありません。
問 義務教育に関しては、家庭・地域・学校が一緒になって子どもを育成するということが大切である。最近の、学校選択の自由化は地域の教育力がなくなる懸念がある。この点への配慮は?
答 地域の一体性を重視し、地域コミュニティの中で子どもたちを健やかに育んでいくという方針の下、地域ごとの通学区域制を維持する自治体もあるという実情も鑑みると、学校選択制を導入すべきか否かは、地域の実情を十分に踏まえ、各自治体が判断すべきではないかと考えております。
昨年、文部科学省では、大臣・副大臣・政務官等が小・中学校等を訪問し、授業を観させていただいたり、先生方や、保護者、子どもたちと話し合う「スクールミーティング」を実施しましたが、この参加者の多くは、家庭が変わりつつあると感じたようです。本年1月17日、文部科学省は、「教育改革のための重点行動計画」を公表しましたが、この中では、「家庭や地域の教育力の向上」のための取組を大きな課題の一つとして掲げております。具体的には、PTA等の関係団体と連携して、「早寝・早起き・朝ごはん」運動を全国的に展開し、子どもの生活習慣を確立するなどの取り組みを行っていきたいと考えています。
問 義務教育九年間のあるべき姿について、全連退としても検討・協議をしているが、日本人としての国家・社会の形成者育成へ向け、義務教育として培うべきものは?
答 平成17年10月の中央教育審議会の答申では、「義務教育九年間を見通した目標の明確化を図り、明らかにする必要がある」旨が提言されています。今後こうしたことについても中央教育審議会で更に議論を深めていく必要があると考えています。
問 いわゆる「特区研発」について、学習指導要領との関連での承認のしかたはどうなっているのか?
答 いわゆる「特区研発」については、日本国憲法、教育基本法の理念及び学校教育法に示されている学校教育の目標を踏まえているか等の観点から認定が行われています。
【意見・要望等】
○今の教育行政は、政治・経済の論理優先で進んでいるのではないか。だから文部科学省へもの申すだけでなく、関係省庁にも、力を注いでいかないとだめではないかという感じを持つ。
もう一つは、学習指導要領の改善について、この間の中央教育審議会の答申で、学力には、習得型の学力と探求型の学力とがあり、それが別々でなく両者の大切さについて述べられている。その通りだと思うが、現行の学習指導要領は、どちらかと言うと習得型ではないだろうか。これからの教育課程を考えたときに、両者が入ってくるというふうな編成をしなければならない。そのあたりのところをきちっと押さえていただきたい。その点について、総則で学校で編成する教育課程とはどういうものなのかという視点や構造のご検討をいただければありがたい。
○ 今の意見に関連して、私も最近の教育改革をみると教育の論理というものが、どこかに姿を消してしまって、行財政の論理が強く表に出てきているというように感じる。また、義務教育費国庫負担制度についても、中央教育審議会の答申に反したかのような結論を政府が出している。中央教育審議会の力を考えると同時に、やはり内閣総理府大臣の諮問機関であるかつての臨教審のような機関をこの際作って広く意見を集めることが、これからの日本の教育において必要ではないか。
総務部長
本日はご多忙のところ、初中局の責任者である銭谷局長さんより貴重なお話をいただき、心から厚くお礼申し上げます。
このことは、全連退を評価いただいたことの現れではないかと思います。先だっての中教審の義務教育特別部会へのお招きも、同じ趣旨であったのかなと思っております。
われわれはかつて校長職にあった者として、現在の教育やこれからの日本の教育に忌憚のない意見あるいは要望等をさせていただくつもりでございますので、よろしくご指導いただくとともに、われわれの声も行政に反映していただくようにお願い申し上げます。
なお、大金課長補佐さんも同席いただき、貴重な時間をありがとうございました。
出版委員会情報 出版委員長 目賀田 八郎
│ 地道に子どもと取り組んでいる すばらしい先生の実践 若い先生方への目標として│
出版委員長 目賀田 八郎
学校教育に対する世間の不信は手を拱いてはいられない状況にあります。
だからと言って、会員それぞれが、勝手にあれこれ活動しても、とても埒の明く問題ではありません。それこそ全連退という組織を挙げて、世間に働きかける事が緊急で、かつ意義のある事と考えます。
そこで、全連退の総力を挙げ、 『子供と真剣に取り組み 慕われている先生たち』の出版を企画しました。
かって私たちは、放課後にスポーツに汗を流した校庭の蔭で、またはストーブを囲んで、先輩たちに子供の扱いの悩みを聞いてもらいました。学習展開の工夫を教えてもらいました。
今日の学校は、若い教員の特徴をつかんで、その人なりの可能性の芽を伸ばしてくれる先輩のゆとりは少なくなりました。
若手も自分をさらけ出して、教えを乞う場や雰囲気がありません。自分らしさも活かして子供を引き付ける大切さや、その技は大学ではあまり身につきません。
子供たちから「学校がつまらない」と言われるのも当然で、これが世間の信頼を失う大きな要因になっているのです。
どうすれば活気のある楽しい学校を復活させられるのでしょうか。そこで、地道に子供と取り組み、子供たちから慕われている教員の姿を紹介して、現場の若手に「そうだ、こうやればいいのだ」と、やる気や勇気を与えたいと考えたのです。
このことを理事会その他で全国に呼び掛け、執筆者の推薦を依頼しました。その結果、北は北海道から南は沖縄の全国から応募がありました。ありがたく思っています。
現在、サンプル原稿を同封し、執筆依頼を発送したばかりであります。しかし、十九年二月には明治図書から、店頭に出ますので、宣伝、協力をお願いいたします。
全国五校種の校園長会会長との連絡会の報告
◇平成18年1月21日(土) 午前十時から午後一時
◇全国連合退職校長会会議室
◇出席者
全国国公立幼稚園長会 齋藤美代子副会長
全国連合小学校長会 寺崎 千秋会長
全日本中学校長会 石橋 昭教育研究部長
全国高等学校長協会 甲田 充彦会長
全国特殊学校長会 神尾 裕治会長
全国連合退職校長会 土橋 荘司会長
各部長、委員長、事務局長、事務局職員
司 会 戸張敦雄総務部長
1 あいさつ 土橋荘司会長
天候の悪いところをありがとうございます。戦後六十年たって日本の現状は、事件が多発するイレギュラーな社会になってしまった。この社会を良くするには人間を立派にすることだ。それは、教育がやることである。教育の有様をどう回復していくか現実に教育をやっている先生方に期待するものが大きい。百年二百年と続く教育の今を充実していくのは教育を預かっている皆さんの力です。小は小、中は中、高は高というのではなく一点でも二点でも話し合いで絞って欲しい。
2 出席者の紹介
3 全連退各部・委員会の活動概要等の報告(紙面の都合で省略)
4 校園長会の活動課題と全連退への要望
◇国公幼
少子化による幼児数の減少、市町村の合併等による幼稚園の減少が深刻である。社会のニーズで幼保一体化施設が増加し、公立幼稚園の存続も危ぶまれている。
本会は、幼保一体化施設等の在り方、幼児の生活リズム等の調査研究、園長研修会等全国幼稚園ウィークの取り組みなど、公立幼稚園の支持者を増やす努力をしている。全連退との連携は大きな支えになっている。
◇全連小
全連小の研究主題「新しい時代を拓き、国際社会に主体的に生きる心豊かでたくましい日本人の育成を目指す小学校教育の推進」について、研究成果を評価し厳しく成果を検証していく。
小学生の下校時の事件の多発により子供たちの安全について校長会の対応を全国に発信した。
義務教育費国庫負担制度の堅持に関する取組は、今後二分の一の復活、さらには全額国が保障するよう求めていく。教育の質の低下・格差の拡大など、施策を見極めていく。
財政制度等審議会の提言に対し要望書を提出。経済財政諮問会議「総人件費改革基本指針」に対し関係国会議員へ意見書及び予算要望をした。
中教審教育課程部会の経過、学習指導要領改訂についてもしっかり見守りたい。
◇全日中
義務教育費国庫負担制度・人材確保法案の堅持に一層の活動を推進する。
学習指導要領の改訂では、教育課程の課題と改善策の実態調査をして、1月末冊子にまとめる。特別支援教育の推進について、文科省特別支援教育課長との協議会を一月実施する。
学力向上への取組では、小・中の連携が大切。小学校卒業生の私立進学指向が強く、公立の危機を感じている。
平成19年度は中学校教育60周年に当たり式典を行う。
◇全高長
新教育課程で教科の編成が大きく変わり、英語ヒヤリングなど、大学入試に影響をうける。
小・中学校からは年限がくれば卒業して99%が高校にくる。大学はバルブを緩めない。挟まれた高校はどのように教育課程を組めば良いか非常に苦しい。
高校は義務教育とは違い、能力、実力の違いで輪切り状態になっている。各学校は経営上の教育目標を中心とした学校づくりが非常に多様で一くくりにできない。いかに柔軟な教育課程の編成ができるかが課題である。
総人件費改革基本指針、人確法の問題には、関係団体と力を合わせ強く反発している。
◇全特長
特別支援教育の平成19年4月実施に向けて取組んでいる。学校教育法、教員免許法等の法改正や、特別支援学校の学習指導要領改訂に意見表明する。
盲・聾・養護学校の児童生徒の障害が重度化多様化し知的障害児が急増しており、軽度の知的障害の養護学校が設置される。
小・中学校における特別支援教育の推進は現行制度の弾力化特別支援教室(仮称)構想の実現へ段階を踏んで進められる。
特別支援学校は、保育所・幼稚園・小・中・高等学校に在籍している障害のある幼児・児童・生徒への支援センター的機能を発揮する。
協 議
全連退 義務教育国庫負担制度の問題について、子供にどんな不利益が生じ、どのような地域格差が生ずるかを全連退も調査する。国は学校教育についてもっと校園長会の意見を聞き、施策に生かさなければいけないと思う。
全日中 文科省との連携はよくやっているが、現状は以前より、やや弱いように思う。
全連退 高校長協会の学習指導要領の問題等や幼・小・中・特殊も団体の活動をお知らせ戴き、全連退としても出来ることはバックアップしたい。
全連退 各団体の活動に関連して全連退が力を発揮して欲しいことはお知らせ戴きたい。
国公幼 幼保一体化施設が進むことに心配がある。零歳児から長時間預かり、離乳食も施設でやるなど、親子関係の基盤が失われ家庭教育の破壊が危惧される。
全連退 幼稚園長会の幼児教育のビジョンや全連退が協力できることを研究していきたい。
全連退 日本の義務教育では、九年間学力に関係なく皆進級する。一人一人を本当に大切にしていない。学力の遅れた子供もその子の持つ個性能力を生かして社会に出してやりたい。現場の先生でないと言えないことを訴えることが必要だ。
全連退 小学校の英語は必要か。
全連小 条件整備がされれば反対はしない。
国公幼 幼稚園の教育要領に入ることは反対だが、地域の協力で英会話などの機会があることは拒否しない。
全日中 小学校に英語が入ることに、中学校では反対が多い。
5 終わりに 廣瀬 久部長
熱心にご協議いただき意義ある会がもてました。一年に一回の会であるが、もっときめ細かい連携が大切だと実感します。要望などがあれば、我々が出向いて校種別に相談する活動も考えていきたい。
(文責事務局長 徳永 裕人)