抜粋内容

第42回 総会あいさつ 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司

祝辞 文部科学大臣 小坂憲次様

祝辞 全国校園長会長代表 全日本中学校長会 会長  高橋 秀美 様

総会報告

役員一覧

宣言・決議 

平成18年度事業計画 (HP内資料へリンク)

全国連合退職校長会会則改正

第42回 総会あいさつ 全国連合退職校長会 会長 土橋荘司

全国連合退職校長会
会長 土橋荘司

 本日、ここに第42回定期総会の開催に当たり、来賓として、文部科学省より初等中等教育局初等中等教育企画課長前川喜平様のご臨席をはじめ、更に各種学校長会や各種教育組織団体及び各都道府県退職校長会の代表のご出席をいただき、総会が盛大に開催できますことを心からお礼申し上げます。

 さて今日、社会の状況を眺めました時、今私達が立っている地盤が傾いているのではないかとさえ思えますように、このごろ各地で考えもつかないような、むごい事件が多発しています。中学生による児童殺傷や、若者による通り魔的事件、更には親を殺害する事件などであります。そして、こうした問題は一つ一つが孤立しているものではなく、何か根本的におかしくなっているのではないかとさえ思われます。

 私どもは、今や戦後60年という節目に当たり、長期的な展望に立って、明確な国家像を確立すべき年であると思います。20世紀は、「戦争と革命の世紀」と言われましたが、21世紀は、国際的な「知」の大競争時代に入り、「知の世紀」と言われています。その中で日本はどう生きるべきかが問われています。

  ”知“がなければ国際社会が成り立っていかない緊急な時代が到来しています。特に資源の乏しい日本は”知“を持って国際競争力を得て、世界に貢献するより道はありません。特にその”知“の基礎をつくる教育の構築が必要です。

戦後の日本は、”平等“”公平“を掲げ、社会全体を一定水準に引き上げることが国の活力になっていました。しかし、悪しき画一主義は独創性をはばんでいます。社会は様々な異質なものが共同協議して、更によい社会を創っていくものであります。従って、「知の世紀」をリードする創造性に富んだ人間の育成を目指すことが要請されています。

 また一方において、社会のための科学が提唱されていますように、新たな”知“を生み出す視点に立って、新しい科学の社会との関係が模索され始めてもいます。本会においても、これらの認識を踏まえ、新しい時代を切り拓く、心豊かでたくましい日本人の育成に向けた教育を目指し、一層力を入れて”教育憲章“の普及に努めていきたいと考えています。それと同時に国民全体が教育尊重の気風を高めるために、「教育の日」の全国的な盛り上がりを更に強め、教育の振興に寄与したい所存であります。

 これからも、会員の皆様が一層健康に留意されますことを願い、あわせて全連退の発展を祈念し、あいさつといたします。

祝辞 文部科学大臣 小坂憲次様

文部科学大臣 小坂憲次様
初等中等教育局初等中等教育企画課長
前川 喜平様(代読)

 第42回全国連合退職校長会総会が盛大に開催されますことを、心よりお祝い申し上げます。

 本日、御参集の皆様方におかれましては、長年にわたり、学校運営の責任者として、学校教育の充実・発展のため、多大な貢献をされ、現在もなお教育界の先達として、ご尽力いただいておりますことに対し、心より感謝申し上げますとともに、深く敬意を表するものであります。

 さて、我が国が経済社会の活力を維持し、子ども達が夢と希望を抱き、未来を切り拓くことができる社会を築いていくためには、教育を国政上の最重要課題と位置づけ、国家戦略として、人間力向上のための教育改革を着実に推進していくことが求められます。

 教育基本法の改正については、平成15年に中央教育審議会から「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」として答申をいただき、また、与党においても、本年4月、「与党教育基本法改正に関する協議会」において、最終報告が取りまとめられました。

 これらを踏まえ、我が国の未来を拓く教育の基本を確立し、時代の要請にこたえた教育の振興を図るため、政府では4月28日に教育基本法案を国会に提出し、現在、衆議院において特別委員会が設置され審議いただいているところであります。この中では、普遍的な理念である人格の完成や個人の尊厳とともに、新たに、公共の精神、伝統と文化の尊重、我が国と郷土を愛し他国を尊重する態度、生涯学習などの理念や義務教育の目的、教員、家庭教育、幼児期の教育、学校・家庭・地域の連携などについて規定を設け、今日重要と考えられる教育の基本を明らかにしております。

 文部科学省としては、教育基本法案の速やかな成立に向けてしっかりと取り組むとともに、その理念を具体化する施策を総合的・体系的に推進するための教育振興基本計画の策定に取り組んでまいります。

 なお、「我が国と郷土を愛する態度」につきましては、現行の学習指導要領でも同様の趣旨が定められており、この評価に当たっては、子どもの内心を調べ、「国を愛する心情」を持っているかどうかを評価するのではなく、我が国の歴史や伝統等といった具体的な学習内容に対する関心・意欲・態度を総合的に評価するものであり、この趣旨を十分ご理解いただくようお願いいたします。

 また、文部科学省では、これまで具体的な施策群や行程表などによって教育改革の全体像を提示し、中央教育審議会の意見を聞きながら、教育改革を推進してきたところであり、本年1月には「教育改革のための重点行動計画」を公表しました。本計画に基づき、第1に、義務教育については、昨年10月の中央教育審議会答申「新しい時代の義務教育の創造 義務教育の構造改革」の趣旨に沿って義務教育の構造改革を進めてきております。

 第2は、「確かな学力」の育成についてであります。我が国の子どもたちの学力の現状は、国際的な学力調査の結果等によると、読解力などにおいて低下傾向が見られ、学習習慣や学習意欲の不十分さが明らかになっています。

 私は、現在の子どもたちの読解力や学習意欲の課題を踏まえ、学習指導要領の見直しを行うことが必要であると考えております。

 現在、教育課程部会を中心に、引き続き精力的に検討を行っていただいているところであり、早ければ今年度中に学習指導要領の改訂を行いたいと考えております。

 第3は、「豊かな心」の育成についてであります。「豊かな心」の育成に関しては、命を大切にする心、善悪の判断などの規範意識や倫理観、公共心や他人を思いやる心などの豊かな人間性や社会性をはぐくむことが重要であります。このため、学校と家庭、地域社会が一体となって、道徳教育の充実、奉仕・体験活動や読書活動などキャリア教育の推進を図るとともに、問題行動や不登校への適切な対応にも努めてまいります。

 第4は、教育の成果の検証と結果に基づく改善についてであります。

 教育水準の向上のためには、PDCA(Plan-Do-Check-Action)の改善サイクルに基づき、成果を検証しその結果を踏まえて絶えず改善を図ることが必要です。文部科学省は、教育の結果を検証するため、学校評価システムの構築に向けた取組を推進するとともに、小学校第六学年・中学校第三学年を対象とした、全国的な学力調査の平成19年4月24日の実施に向けて各教育委員会と十分な調整を図り、着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 第5に、魅力あふれ、信頼される学校づくりであります。
 各学校が生徒それぞれの個性を最大限に伸長させるためには、多様な特色ある学校づくりを進めていくことが大切であります。また、より深く高度に学んだり、より幅広く学んだりするなど、学校や生徒の実態に応じた教育課程を編成することが必要であります。文部科学省においては、特色ある取組を行う専門高校等を支援する「目指せスペシャリスト」事業を進めるとともに、総合学科や単位制高等学校、中高一貫教育校の設置促進など、高等学校教育の改革を進めております。

 文部科学省では、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」等を踏まえ、関係行政機関や地域社会等との連携を図りながら、組織的・系統的なキャリア教育の指導方法・内容の開発、職場体験やインターンシップ等の実施、専門高校における企業実習と教育を組み合わせた「日本版デュアルシステム」の実施など、勤労観、職業観を育成するキャリア教育の一層の推進に努めてまいります。

 そのほか「充実した教育を支える教育環境の整備」、「家庭・地域の教育力の向上」など、教育改革を推進するための行動計画に沿い様々な取組を進めており、これらの改革の実現には、様々な課題がありますが、本日お集まりの皆様方の、教育に関する深い知識と経験を生かし、初等中等教育の改善・充実のためご協力くださいますようお願い申し上げます。

 最後に、本総会が、所期の目的を達成し多大の成果が得られますよう御期待申し上げますとともに、全国連合退職校長会のますますの御発展と、御参集の皆様方の御活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。

祝辞 全国校園長会長代表 全日本中学校長会 会長  高橋 秀美 様

全国校園長会長代表
全日本中学校長会
会長  高橋 秀美 様

 只今、ご紹介をいただきました全日本中学校長会の高橋秀美でございます。教育関係諸団体の代表の皆様や諸先輩がご出席の中、真に僭越ではございますが、代表して、全日中より一言ご挨拶を申し上げます。

 本日は、第42回全国連合退職校長会総会の開催、真におめでとうございます。また、貴会が、9万余名の会員を擁して、豊かな人間性と主体性のある日本人を育成する教育の推進にご尽力をされてきたことに、敬意を表するものでございます。

 ご案内のように、来年、平成19年は、中学校教育六十年の記念すべき年であり、私ども全日中は、中学校教育60年記念大会を東京において開催すべく、その準備を進めているところでございます。戦後の荒廃の中から、教育の復興と発展を担われた諸先輩の皆様のご苦労、ご尽力に、改めて感謝を申し上げます。

 現在、教育の根本法である教育基本法改正案の国会審議が行われています。また、義務教育の構造改革とそれに伴う学習指導要領の改訂、義務教育費国庫負担制度や人材確保法の見直し論議、さらに教員免許制度の改正等々の、教育改革が急速な勢いで進められています。

 しかも、一方で、国の行財政改革や格差社会の進行、加速化する人材育成面における国際競争や教育をめぐる社会状況の在り様が、教育改革の動向に大きな影響を与えています。 

 このような状況の中、全日中は、義務教育の根幹である「機会均等」「水準確保」「無償性」を維持するため、貴会並びに教育関係諸団体の皆様と連携・協力して、確固とした教育条件の整備に取り組んでまいりました。

 その中で、義務教育費国庫負担制度については、国庫負担割合が三分の一に減少しはいたしましたが、制度堅持を果たしたところであり、今後は全額国庫負担化に向けて努力してまいります。また、全日中並びに貴会を含む教育関係23団体が連携し、「義務教育における格差をなくし、豊かな教育環境の実現を求めるシンポジウム」を、この6月13日に開催するなど、新たな取り組みを進めてまいります。

 どうか、今後とも、教育の充実・発展のために、貴会が豊かなご経験とご実績を生かして指導性を発揮されるとともに、全日中へのご支援を賜り、連携・協力の関係を一層深めていくことができますようお願いを申し上げます。

 最後になりましたが、貴会のますますのご発展と、本日ご参会の皆様のご多幸、ご健勝を祈念して、ご挨拶とさせていただきます。

 本日は真におめでとうございます。

総会報告

総会報告  

日 時 平成18年6月9日(金) 午前10時より
会 場 江戸東京博物館 一階ホール
出席者 正副会長、常任理事、理事、監事、代表員等142名。
司会・進行 戸張敦雄総務部長

 黙祷

1、開会の辞 寺尾好男副会長

2、国家斉唱 指揮・中原慎三(事務局)

3、「綱領」の唱和 主唱 廣瀬久部長

4、会長挨拶   土橋荘司会長

5、来賓祝辞
  ○文部科学大臣 小坂憲次様
 (代理)文部科学省初等中等教育局、初等中等教育企画課長 前川喜平様
  ○全国校園長会長代表 全日本中学校長会 会長 高橋秀美様
  ○来賓紹介 徳永裕人事務局長

6、議長選出
  前日の全国理事会で宇田川敏夫・上田文男の両副会長が選出された。

7、議事
 第1号議案 平成17年度会務報告 戸張敦雄総務部長
 第2号議案 平成17年度決算報告、監査報告
 ・決算報告 相田新太郎会計部長 ・監査報告 藤田喜三監事(P10)

休憩・昼食

記念講演(正午~午後一時二十分)
 ・講師 首都大学東京学長 西澤 潤一 先生
 ・演題 「戦後教育の反省」

 第3号議案 副会長並びに監事の交替
  そのⅠ(報告承認)監事交替の報告
     (福井) 小泉希信↓藤田喜三
  そのⅡ(承認)副会長の退任と就任
      (関東・甲信越) 船田徳壽→八木原勝可
      (東海・北陸) 三林貞夫→岩間敏和
      (四国) 寺尾好男→川 希夫
      (九州) 重見英敏→松澤達郎 
  そのⅢ(承認)監事の退任と就任
      (宮城) 太宰道夫↓永山忠彦
 第4号議案 会則の一部改正について 戸張敦雄総務部長(P12)
 第5号議案 平成18年度目標・事業計画 各部長・委員長から提案(P8・9)
 第6号議案 平成18年度予算案 相田会計部長提案(P11) 
 第7号議案 宣言・決議の採択(P7)高橋宏副会長より読みあげ 
※各提案は、質疑後、原案の通り承認された。

8、感謝状並びに記念品贈呈(P8)

9、閉会の辞 八木原勝可副会長

<記念講演(講師紹介)>

・先生は、大正15年(1828年)、仙台市にお生まれになる。
・東北大学工学部 電気工学科を卒業。工学博士号 取得。同大学教授、電気通信研 究所長を歴任し、東北大学総長 となられる。
・昭和58年文化功労者。平成元年 には文化勲章を、平成14年には 勲一等瑞宝賞を受賞されている。
・平成17年4月よりは、「首都大 学東京」学長に就任されている。
・多数の著書には、「独創教育が 日本を救う」(PHP)、「背 筋を伸ばせ日本人」、「教育基 本法6つの提言」(小学館)な どがある。
・講演内容は、次号に掲載します。

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宣言・決議 

全国連合退職校長会会則改正