- 1. 抜粋内容
- 2. 年頭所感 「昨年を省み、今年の活動を考える」 全国連合退職校長会 会長 廣瀬 久
- 3. 提言:教育改革の中での学校支援 副会長 大山 睦
- 4. 提言:生涯学習 副会長 佐藤博文
- 5. 全国校園長会会長より:「有言実行の全日中」として 全日本中学校長会 会長 岩瀬 正司
- 6. 全国校園長会会長より:『高大接続から見えるもの』 全国高等学校長協会 会長 戸谷 賢司
- 7. 全国校園長会会長より:特別支援教育の推進 全国特別支援学校長会 会長 岩井 雄一
- 8. 【PDF】第2回事務局長会報告
- 9. 【PDF】文部科学省 金森初等中等教育局長との懇談
- 10. 地方の会報誌より (北海道会報第190号より)私のマラソン人生 - 百キロマラソンに挑戦 - 小樽支部 永田 貴信
抜粋内容
年頭所感 「昨年を省み、今年の活動を考える」
全国連合退職校長会 会長 廣瀬 久
提言
教育改革の中での学校支援 副会長 大山 睦
生涯学習 副会長 佐藤博文
全国校園長会会長より
「有言実行の全日中」として 全日本中学校長会 会長 岩瀬 正司
『高大接続から見えるもの』 全国高等学校長協会 会長 戸谷 賢司
特別支援教育の推進 全国特別支援学校長会 会長 岩井 雄一
【PDF】第2回事務局長会報告
【PDF】文部科学省 金森初等中等教育局長との懇談
※上記記事はリンクをクリックしますと、PDF形式にてご覧いただけます。
地方の会報誌より (北海道会報第190号より)
私のマラソン人生 - 百キロマラソンに挑戦 - 小樽支部 永田 貴信
年頭所感 「昨年を省み、今年の活動を考える」
全国連合退職校長会 会長 廣瀬 久
全国連合退職校長会
会長 廣瀬 久
あけましておめでとうございます。旧年中は、本会の諸事業・活動についてご理解、ご協力をいただき誠にありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、会報等でご存知のことと存じますが、昨年七月、銭谷文部科学事務次官ご勇退に当たりご挨拶を、続いて坂田新次官ご就任に際し表敬訪問を行い、今後、懇談会の機会を設けることをお約束いただきました。
八月には副会長同行のもとに、文部科学大臣宛の要望書を提出、この後関係部長とともに総務大臣、厚生労働大臣宛の要望書を提出いたしました。
さらに、金森文部科学省初中局長と当面する課題について、部長、委員長を含め約二時間懇談、意見交換をいたしました。
九月、政権交代、官僚主導から政治主導への方向が打ち出され、昨今は財政問題中心で、国家百年の計である教育に関する理念や方向は見えて来ません。
本会では会則の目的、綱領を基に総会で承認された「目標や活動計画」は変更の必要なく、政権交代に伴う流動的な情勢については、その動向を見定めながら、より政治的な活動の展開を検討し、時機に即した対応をしていくことにしました。
話は変りますが、私は一昨年会長就任以来できるだけ地区連絡協議会は勿論、要請のある都県の総会や周年大会に伺い、直接各地区の実状等の理解に努めるとともに本部活動へのご理解とご協力をお願いして参りました。
地区連絡協議会を中心とする地区活動では副会長さんをはじめ地区協議会開催都府県の関係者の方々は勿論、参加者の方々の貴重な実践報告、協議等をうかがい、また、地区連絡協議会の規約も全地区で整いました。
各都県でも様々な工夫や努力をされていることを実感し、誠に力強く思うとともに、深い感動を胸にしました。
今後の課題は様々ありますが、本部は今後の政治情勢を見ながら適切な対応と文部科学省との緊密な連携が大切と考えます。
しかし、本当の成果をあげ、実り多いものとするためには、副会長さんをはじめ、各都道府県退職校長会、会員の皆様方のご協力なしではできません。
そのためには、本部と副会長、各都道府県退職校長会や各地区内の都道府県相互の情報交換や意見の交流と実情に即した活動が必要でしょう。また、会員の皆様方が、それぞれのお立場でできることを行い、交流して相互の絆を強め、連帯の輪を広げていくことが大切でしょう。
よろしくお願いいたします。
提言:教育改革の中での学校支援 副会長 大山 睦
全国連合退職校長会
副会長 大山 睦
先般の総選挙で政権交代が実現し、鳩山首相の所信表明に、人と人が支え合う「新しい公共」「自立と共生」等の言葉があり、政治の方向も変わりつつある。
民主党のマニフェストにある子ども手当ての支給、高等学校無償化等は有り難いことであるが、膨大な予算が必要であり、教員増員、少人数学級拡大等の教育予算は大丈夫であろうか。
教育政策もこれからどう変わっていくか、期待と不安の気持をもって注目している。小中学校では、新学習指導要領が前倒しで実施されている。学校現場からは、学習時間の増加等で忙しさが加わったとの声が聞こえてくる。
とにかく、学校現場は忙し過ぎて、先生方は子どもたちと向き合う時間を十分確保することが難しい状況である。これに対して、退職校長が少しでもお手伝いをしようというのが、教育支援(学校支援)の目的である。
過日行われた、関東甲信越地区神奈川大会でも「教育支援・社会貢献」について協議が行われ、各都県の活動の様子が紹介された。取り組みに差はあるがどこも前向きに努力している。
文部科学省指定の「学校支援地域本部事業」も並行して実施されていて、退職校長も個人的に参加している。来年度で指定が終るが、それ以後はどうするかも大きな課題である。
茨城県の調査の中の一部に、先輩校長に支援をお願いするのは恐れ多い、お願いしにくい等の意見がでている。このような隘路を克服することは難しいことではあるが、退職校長が裃を脱いで学校に入れるか、現場の先生方が意識を変えて受入れられるかにかかっていると思う。
提言:生涯学習 副会長 佐藤博文
全国連合退職校長会
副会長 佐藤 博文
日本人の平均寿命は世界一となり、さらに高齢化が続き、経済の発展、科学技術の高度化、情報化が進行する中で、人々は健康で生きがいのある人生を過ごしたいと願い、模索しています。
このような情況の中で、平成十八年に改定教育基本法が施行され、新しく生涯学習の理念が規定されました。また、その理念を実現するための振興方策が答申されました。
平成二十一年七月には、全連退による会員の生涯学習に関する情報の調査がありました。地域の教育振興に寄与している会員情報、会員が組織的に活動している事例、学校支援地域本部事業への会員の参画状況等の調査であり、時宜を得たものでありました。この調査の結果を活用し、会員の生涯学習を発展させ、その成果を社会のために生かしたいものです。
永い間、教育界で活躍された会員の皆様は、それぞれ生涯学習に取り組まれ、今も「生涯現役」として活躍されている方も多数あります。しかし、優れた潜在力を持ちながら社会のために生かす機会に恵まれなかった方も多くあり、残念なことであります。
人は加齢とともに活動が次第に困難になることはやむを得ぬことであり、会員の生涯学習の成果を生かすには、できるだけ早く元気な間にその機会を持つことが重要であります。退職後、退職校長会に入会されると同時に学校支援ボランティアに加入していただくなど、今後いろいろ工夫しながら、会員各自が地域の貴重な人材として、教育界や地域社会へ貢献していただきたいと思います。
全国校園長会会長より:「有言実行の全日中」として
全日本中学校長会 会長 岩瀬 正司
全日本中学校長会
会長 岩瀬 正司
約六十年ぶりに改正された教育基本法を受け、様々な諸法令が整備されました。そして新学習指導要領が告示され、中学校では平成二十四年度からの全面実施に向けて移行措置も始まり、教育改革はいよいよ最終局面を迎えてきました。
また、自民党から民主党への政権の交代もあり、その教育に対する諸政策の動向も注目されるところです。
このような中にあって、私たち全日本中学校長会はその綱領にあるとおり、「校長の使命に徹し、結束して中学校教育の振興に努め、もって国民の信託に応える」ことを目的にした任意団体です。従って政治団体でも職員団体でもないので政権の交代については粛々と受け止めるだけであり、日本の子どもたちのために、日本の学校教育のためにどのような教育政策を打ち出すのか、ということが最大の関心事です。
中でも喫緊の課題は「教職員定数の大幅増」です。今の学校は生徒も先生たちも疲れきっていて元気がありません。しかし解決策は簡単でそれは先生の数を増やすことにつきます。政権交代を好機ととらえ、教職員定数増を積極的に働きかけていこうと思っております。
また、十月の全日中研究協議会福島大会で「全日中教育ビジョン―学校からの教育改革」も発表いたしました。校長自らが学校からの教育改革を推進し、新たな中学校教育を創造していこうとするものです。
日本の子どもたちのために、日本の学校教育のために、言うべきことは言う、やるべきことはやる、「有言実行」の姿勢を貫いていこうと思っています。
全国校園長会会長より:『高大接続から見えるもの』
全国高等学校長協会 会長 戸谷 賢司
全国高等学校長協会
会長 戸谷 賢司
昨年の貴会会報に高校と大学とが新たな接続の在り方を模索する旨の報告をいたしました。その高大接続テスト(仮称)協議・研究委員会は平成二十年の十月から開始されましたが、平成二十一年の九月から十月にかけて、米国でのSATやACT、さらに仏国や英国でのバカロレアやAレベルなどの高校段階の学力を客観的に把握・活用する統一テストについて現地調査を実施してきました。
今後はこれまで協議・研究委員会での論議で得られた共通認識に加え、米国や欧州での実態調査を踏まえ、具体的な高大接続テストの姿を描き出すことになります。
ところで、この高大接続の課題は、高校と大学間の問題で、しかも入試に係わる問題と考えられがちですが、そうではありません。突き詰めると、日本の子どもたちの学力をいかに向上させていくのかという教育改革に収斂されます。
こうした視点に立つと、高大接続は義務教育と高校教育の円滑な接続に依拠していなければなりません。高校への進学率98%、生徒の多様化の中、共通性をも追求していかなければならない状況です。そのためには小学校、中学校、高校を通して基礎的・基本的な学力や学ぶ意欲をしっかりと身に付けさせ、全体で底上げを図っていく必要があります。
全国連合退職校長会には、幼小中高・特別支援の先生方が所属されておりますので、それぞれの校種で、また学校間を通して、できる方法は何か、改革すべき課題は何か、ご提言をいただければありがたいと思っています。
全国校園長会会長より:特別支援教育の推進
全国特別支援学校長会 会長 岩井 雄一
全国特別支援学校長会
会長 岩井 雄一
特別支援教育の理念は、障害の有無に関わらず、適切な教育や必要な支援を受けられるようにし、将来の自立と社会参加を可能にすることです。これは、障害が比較的重い特別支援学校の児童生徒に限らず、通常の学校に在籍する発達障害等がある児童生徒にとっても大変大事な視点です。この点は小・中学校等の新学習指導要領の総則にも「特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、例えば指導についての計画又は関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと」と示されています。
一言で障害といっても大変幅が広く、一人一人の個性も含め多様です。障害により、学習や生活に困難を生じる場合には、適切な指導や必要な支援をし、社会への参加を促進します。
また、「交流及び共同学習については、双方の子どもたちの教育的ニーズに対応した内容・方法を充分検討し、早期から組織的、計画的、継続的に実施するよう努める」とされています。交流及び共同学習の取り組みにより、幼少期から障害のある人とのかかわりを通して相互理解を進め、共生社会を実現することが、障害者基本法にも明記されています。
さて、政権が変わり、新たな施策の展開が始まっております。政権政党のマニフェストによりますと「全ての人に質の高い教育を提供する」として、「学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる」とあります。
今後の教育の推進をぜひとも期待したいと思います。
【PDF】第2回事務局長会報告
【PDF】文部科学省 金森初等中等教育局長との懇談
地方の会報誌より (北海道会報第190号より)
私のマラソン人生 - 百キロマラソンに挑戦 - 小樽支部 永田 貴信
小樽支部 永田 貴信
北海道会報第190号より
過去に、アメリカ女優マリリンモンロー主演の『七年目の浮気』という映画がありました。
七年もたつと、心変わりがするものなのですね。
私のフルマラソンも七年目を迎えた昨年、無謀にも百キロマラソンに挑戦してみようかという気持ちが湧き、躊躇することなく申込みをしてしまいました。
私は、上りと下りでは、上りはつらく息が切れ、下りはだまっていても走れるものと、フルマラソンを走るまでは、そう思っていました。
しかし、ハーフマラソンでは感じなかった足腰の痛みが突然やってきました。後でわかった事だが、下りは、足にかかる負荷が体重の六倍にもなるそうです。これで足首をだめにし、ペースダウンすることになります。
また、走っていると「頑張れ。頑張れ」の声援があります。走っている者は精一杯走っていますので、頑張っているねの拍手だけで十分だと思っています。
私は、現職時、美辞麗句を発し指導したのではないかと、走ってわかり、反省しているところです。
走る時は、水分補給が必要です。日本で、昔、フルマラソンでも水を飲ませなかったという、今考えるととてつもなく恐しいエピソードが残っています。根性だけで走らせていたのですね。
無謀なチャレンジ百キロマラソンですが、朝五時スタート、午後六時までにゴールしなければならない、サロマ湖百キロウルトラマラソンです。
給水所では、止まって水分補給をし、出ている食べ物に手を出した結果、五十キロで、三分オーバーでストップを命ぜられました。百キロ走れる余力を残してのストップは、とても、とても残念でした。そして、初のバス拾われとなってしまいました。
早く走る。かっこよく走る。何時間で走る。この目当てを持ちながら挑戦してきたマラソン。しかし、失敗してもいいじゃないか、バスに拾われてもいいと挑戦した百キロマラソン、案の定バスに拾われたが、最初からこう着した喜びではなく、途中で変えた喜びも大切だと思います。人生とは、そんなもの。マラソンを通して知り得た私の人生観です。
これからも、細く長くマラソン挑戦を続けて行きたい。