抜粋内容
巻頭言 あいちのアクションプラン 副会長 岩間敏和
平成19年の『要望書』を、文部科学・総務・厚生労働の各大臣へ提出
~文部科学書へ意見具申~
「学校評価の在り方と 今後の推進方策について」
全国校園長会長より
転換期の幼稚園教育 全国国公立幼稚園長会 会長 岡上直子
信頼をつなぐ 全国連合小学校校長会 会長 池田芳和
学校教育の未来を見据えて 全日本中学校長会 会長 草野一紀
「教育の日」の推進について 「教育の日」推進委員長 入子祐三
巻頭言 あいちのアクションプラン 副会長 岩間敏和
副会長 岩間敏和
「自らを高めること」と「社会に役立つこと」を基本的視点とした「あいちの人間像」の実現を目指して、県内各地で意見集めを進め、アクションプランとして公表された。
私たちの会員も、その会に参加し大いに意見を述べ協力した。
会としては、このプランに賛同し、全面的に協力したいと考えている。
家庭・地域・学校が特に重点的に取組むことを「宣言」として掲げられた。
ここに、その概要を紹介する。
「かけがえのない自他の命を大切にすることのできる人間」を育てるために
○家庭の宣言 おたがいに親心でわが子のしつけをします
○地域の宣言 大人が率先して子どもたちに範を示します
○学校の宣言 あらゆる場面 で命を大切にする教育に取り組みます
「自らの人生をたくましく切り拓き、社会に生かすことのできる人間」を育てるために
○家庭の宣言 ノーテレビ・ノーゲーム・ノー残業デーで生まれた時間を学習などに生かします
○地域の宣言 勤労観・職業観をつちかうため、職業体 験活動を支援します
○学校の宣言 確かな学力を身につけさせるため、授業力を向上します
「健やかな体をつちかい豊かな文化を継承創造することのできる人間」を育てるために
○家庭の宣言 朝ごはんは毎日きちんと食べます
○地域の宣言 地域のスポーツ文化活動に積極的に参加します
○学校の宣言 地域と連携した部活動や特色を生かした読書活動を充実します
「次代を展望し、世界に視野を広げ活動することのできる人間」を育てるために
○家庭の宣言 愛知万博に学び環境に配慮した行動に心がけます
○地域の宣言 ものづくり愛知の人材育成の実践的な場を提供します
○学校の宣言 異文化を理解し英語を活用する力を育みます
平成19年の『要望書』を、文部科学・総務・厚生労働の各大臣へ提出
~文部科学書へ意見具申~
「学校評価の在り方と 今後の推進方策について」
会報誌バックナンバー (平成19年度)
165号 (平成19年9月30日発行)抜粋
~文部科学書へ意見具申~ 「学校評価の在り方と 今後の推進方策について」
文部科学省の「学校評価の推進に関する調査研究協力者会議」は、本年3月、その中間のとりまとめを行いました。
国は、その提言を踏まえ、本年6月に公布された改正学校教育法第42条に、学校評価についての規定をしました。
この様な状況下、文部科学省から平成19年6月29日、全連退に「素案」を示し、それについての意見を文書で7月13日までに提出されたい旨、依頼がありました。
そこで、会長を中心に、教育課題研究委員会(田中昭光委員長)が急遽、意見具申の文書を作成し、文科省に送付いたしました。
平成19年7月13日
文部科学省
初等中等教育局
学校評価室御中
全連退会長土橋荘司
学校評価を行い、学校運営の改善と発展を目指すことにより、教育水準の向上と保証をはかることは重要である。
全連退では、学校評価の推進に関する調査研究協力者会議における資料に基づき討議・研究したことを踏まえ、意見具申いたします。
1、「学校評価」に対する基本的な考え
本来、学校評価は各学校の自己評価が基本である。
学校評価は、学校や一人一人の教職員のやる気を高め、よりよい教育活動を実践していく意欲につながるものにすることが大切である。
2、今後、審議してほしい課題
「学校評価」の目的を十分に踏まえ、「評価のための評価」になったり、「形式的な評価」になったり、「評価結果の公表のための評価」等にならないようにすることを要望する。
(1) 自己評価について
「学校評価ガイドライン」の内容の再検討と活用を図る方策の検討が必要である。特に、客観性と公正性、「全方位型」と「課題指向型」、「短期の評価」と「長期の評価」、「数量化できるもの」と「数量化できないもの」等の具体的な評価の在り方を検討する。
(2) 学校関係者評価(外部評価)
学校関係者により構成された委員会と学校評議員の関係を検討する。その際、学校評価のための事務量が増にならないようにすること。
学校評議員=学校関係者とすることでよいではないか。
(3) 第三者評価
当該学校やそれを設置管理する主体と関係のない専門家等が自己評価及び外部評価を資料として、教育活動その他の学校運営全般について、専門的・客観的立場から評価するとしているが、個々の学校についての評価は不可能である。
従って、第三者の学校評価の設置の有無を含めその在り方について慎重な検討が必要である。教育行政機関の「自己評価」を徹底して改善し、現行の自己評価、外部評価を資料として、設置者等が学校に対して必要な支援や条件整備を行えばよい。
3、評価結果の公表について
「自己評価」の目的は、教職員自らがその目標等の達成状況や達成に向けた取り組みの状況を検証することにより、学校の現状と課題について把握し、今後の学校運営の改善に活用することを目的として行うものとして定着している。結果の公表を前提として行ってはいない。したがって、「自己評価」の結果の公表については、何を、誰に、どの程度、どう公表すべきかをよく検討し、ガイドラインにおいて明確にしておく必要がある。現状では、各学校では自校の教育活動についての情報(計画、評価など)提供は、定期的に、或いは随時に「学校便り」「学校通信」「PTAだより」等で行われている。
安易に、全てを公表することを義務付けることによって成績主義、競争原理が導入され、保護者や地域から学校に対する不満や信頼を欠くことの要因になる恐れがある。
改めて評価結果として公表する必要があるのか検討すべきである。
また、学校は、行政等からの調査や報告書の作成、保護者への対応等で本来の教育活動以外の事務的な処理で多忙である。その上、「学校評価」の結果の公表のためには相当の事務量を必要とする。この結果、教育活動に支障をきたすことになっては、何のための「自己評価」なのかわからなくなる。学校の事務量の総量を規制し、事務量の軽減を図り、教職員が本来の教育活動に意欲とゆとりを持って専念できるようにすべきである。
4、退職校長の活用
退職校長は学校経営の責任者として、事務的には専門家であり、第三者の専門家として十分な資質を持っている。外部評価や第三者評価に際しては、退職校長の活用を図られたい。
全国校園長会長より:転換期の幼稚園教育 全国国公立幼稚園長会 会長 岡上直子
全国国公立幼稚園長会
会長 岡上直子
全国連合退職校長会の先生方には、日頃より温かいご支援いただいておりますことに、深く感謝申し上げます。
さて、教育改革が急ピッチに進められ、6月には学校教育法等が改正されました。昨年末の教育基本法の改正以来、幼児教育や家庭教育の重要性がクローズアップされ、これまで以上に幼稚園教育への期待が大きくなっています。
私ども全国国公立幼稚園長会は、幼児教育の専門家として、そして家庭教育に最も身近で貢献できる立場にある者として、意気に感じ、幼稚園教育の一層の充実とともに、保護者の子育て支援に力を注ごうと気持ちを新たにしているところです。
現在、幼稚園教育には、「発達や学びの連続性を踏まえた教育の充実、幼稚園教員の資質及び専門性の向上、家庭や地域の教育力の再生・向上」など、課題が山積しています。加えて、これまであまり注目されていなかった「幼稚園における学校評価の推進」が課題になっており、文部科学省においては、幼稚園教育要領の改訂作業とともに、学校評価の基準作りがすすめられています。
これらの課題を正面から受け止め、充実した幼稚園経営・教育活動を展開するためには、財源も人材も積極的に求め発掘していく努力が必要ですし、教員を育成していくのも園長の責務です。その気概なく幼稚園教育の充実はありえません。
国公立幼稚園長会は、改革の流れの中で、教育の本質を見極め、組織の力を結集し一丸となって、転換期にある幼稚園教育をリードするために力を尽くす所存です。
全国校園長会長より:信頼をつなぐ 全国連合小学校校長会 会長 池田芳和
全国連合小学校校長会
会長 池田芳和
教育改革が急速に進められる中、「信頼される学校教育の確立」が強く求められています。このことを真摯に受け止め、全国連合小学校長会としては「経営の基本と原則を生かし信頼をつなぐ校長会」でありたいと考えています。
特に、経営者としての校長は、山積する課題に迷わされることなく。子どもたちのためになる教育改革にしなければなりません。また、職能集団としての校長会の見識と決断をもって課題を具体化し仕事に変え、学校教育の課題解決に努めることが期待されていることや学校教育の使命を果たすことによって社会的責任を果たすことの重要性を強く認識しなければなりません。この認識なくして「信頼される学校」の実現は望むべくもありません。
そのために、第一は、魅力ある教育課程を編成・実施し学校の使命を実現することです。間近に告示されるであろう学習指導要領の改訂に的確に対応することが当面の課題です。
第二は、課題を具体的な仕事に変え、職務遂行を通じて教職員を生かすことです。ベテラン教員の大量退職に伴い初任者の大量採用がもたらす指導力の低下を防ぐことが課題です。これに関して、東京港区で「みなと授業練成アカデミー(NPO)」として退職の先生にご協力を戴いていますが、全連退の皆様にもお力を貸していただければ幸いです。
第三には、子どもの成長の姿を具体的に保護者や地域社会に示すことで学校の社会的責任を果たすことです。学校評価や情報提供が義務付けられました。これを機に大いに発信し、信頼をつなぎたいと考えます。
全連小は新しい時代を見つめ、変化に適応し、信頼される学校づくりに向けて、凝集力を高め取り組む覚悟です。
全国校園長会長より:学校教育の未来を見据えて 全日本中学校長会 会長 草野一紀
全日本中学校長会
会長 草野一紀
教育改革の大きなうねりが今、学校を包もうとしています。昨年末には学校教育法が改正されこの6月には教育関連三法が参議院で可決・成立しました。そして中教審では改革の具体策が集中的に討議されています。
時代の急激な変化に対応するために学校教育の構造改革を推進しようとする意図は理解できます。しかし、気になることがあります。改革の背景に市場原理を導入しようとする動きが存在することです。教育の様々な課題の解消には、組織の改革と学校間の自由競争が必要であるという考え方です。これには、学校の選択制度の導入が連動してきます。確かに、学校はこれまで急激な時代の流れに対応が追いつかなかった部分もあり、そのための改善は必要であります。しかし、学校はこれまで子どもの教育すべてを背負ってきました。今やその機能は限界にきています。学校教育は決して競争ではありません。教育は行政と学校と家庭・地域社会が協力して創っていかねばならない時代だと思います。
中教審が今後集中的に開催される中、全日本中学校長会は、学校の現状と改革のあるべき姿を正しく主張してまいります。
折しも、この10月には中学校教育60年記念第58回研究大会が東京の国際フォーラムで開催されます。私たちはこの大会を単なる節目の大会に終わらせることなく、教育の現状を的確に把握し、学校教育の未来を見据える機会にしたいと考えています。
貴会のご支援を受け活動してきた全日中です。皆様方の築かれてきた学校教育の財産を糧として努力してまいります。今後ともご指導をお願い致します。