全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成22年7月12日  第86号 
「学校評価ガイドライン(平成22年改訂)」(案)に関する意見 
 標記の件について、去る6月25日、全国連合退職校長会としての意見を文部科学省の関係部署に提出しました。

平成22年6月25日

学校の第三者評価のガイドラインの          
策定に関する調査研究協力者会議
座 長  天 笠  茂 様

全国連合退職校長会 会 長  廣 瀬  久

「学校評価ガイドライン(平成22年改訂)」(案)に関する意見

貴会におかれましては、「学校評価ガイドライン」の改訂に精力的に取り組まれ、(案)を示され、意見を求められましたことに対して敬意を表します。ついては改定案に対し、ガイドラインの趣旨がよりよく理解され徹底することを願い意見を具申します。

1.学校評価の主体は学校であり「学校評価ガイドライン」はその際の重要な参考資料であることをより明確にされたい。
 各学校は、校種、規模の大小、地域の実情、歴史や伝統等が異なり同一のものではない。各学校は、その実情に即し教育活動を展開しているが、「学校評価」の中心となる「自己評価」においては、その目的・内容・方法、時期、報告、公表等については、標記のガイドラインを参考に、取捨選択して行うものであり、これに沿って実施しなければならないものではないが、とかく行政からの指導や通知・通達は、画一的、形式的なになりがちであり、報告や公表も学校の実情を考慮せずに求められることが多い。設置者や教育委員会に対して、ガイドラインの趣旨の徹底を図ってほしい。


2.学校が教育指導・実践に専念できるように 過度な「学校評価」負担がないよう一層の配慮をされたい。
 学校評議員会等に提出される「学校評価」に関する資料が数十頁にもなっている例もあり、評価のための事務量・時間、これにかかわる精神的負担が過重になり、本務である教育指導に専念できないと思われる現実も多い。特に結果の報告では、画一的、形式的な面が重視され、詳細な資料の提出を求められたり、これが高く評価されたりする傾向が行政面にあり、学校に必要以上の負担をかけている事例もある。学校の実情に即し、過度な負担にならないような報告、公表について、行政指導が必要であり、この点についての配慮もほしい。

3.「第三者評価」については 多くの問題点を感じる。その実施には慎重であるべきと考える。
 「学校評価」全体を充実する観点から「第三者評価」を行い、学校の優れた取り組みや今後の学校運営につなげるため、課題や改善の方向を提示するという意義は理論上うなづけるが、屋上屋を重ね兼ねない「第三者評価」の実施は、学校の多忙化に一層拍車をかけるのでいないかと危惧される。
 各学校は、現行の「学校評価」の規定にしたがい、「自己評価」「学校関係者評価」を行い、教育活動の改善や向上に努め成果を挙げているが、「第三者評価」の追加が必要かどうか、はなはだ疑問である。
 現行の「学校評価」の実態を直視するとき、各学校間に必要以上の競争意識をあおり、分厚い資料の山を築かせるような作業を強いているのは、より充実した教育活動・成果にはつながらないと思う。このような「学校評価」が、学校の過重負担になっている実態を把握して、むしろ、歯止めをかけることが必要ではないかと思う。「学校評価」の公表・報告を簡素化し、校長に余裕の時間を与え、指導助言・教育相談等に力を注いだり、学校運営の改善に当たることなどが大切である。
 現行では「学校関係者評価委員会」に有識者や地域の関係者が属しており、各学校から提出される報告書や学校長との聞き取りで学校の意見や要望の把握ができるし、設置者としての支援や条件整備等を実施することも可能で、「学校評価」の本来の目的は達成できる。従って、「第三者評価」の必要性に疑問を感じる。
 「第三者評価」を全校対象に求めることは、現状では不可能ではないかと思う。
「第三者評価」にふさわしい見識や能力を有している専門家を全国的に求めることには無理があるのではないか。
 「第三者評価」が必要であると判断した場合に行うとしているが、誰が何を基準に判断するのか、その判断基準が示されておらず疑問を感じる。
 必要により「第三者評価」を実施する場合の評価者の人選については、学校にとって「第三者評価」の意義が担保されるように、人選に偏りのないように、設置者の責任において慎重に行う必要がある。

<おわりに>
 「学校評価」はきわめて重要であるが、学校の実態を考えたとき「自己評価」「学校関係者評価」「第三者評価」等々、学校に相当の負担がかかることが予想される。多くの業務に追われる学校の負担をできるだけ避ける方向で検討されたい。
 現状の「自己評価」「学校関係者評価」実施の一層の充実を図ることが、保護者・地域住民の信頼と連携を高める方途であり、教育上より効果的であると考える。
 必要により「第三者評価」を実施する運びとなった場合は、長年にわたり学校経営に当たり、実務的な専門家である退職校長の活用を図っていただきたい。