全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報         平成12年6月13日 第8号
教育改革国民会議へ、土橋 荘司会長 「教育に関する意見書」を提出 

教育の抜本的な見直しに向けた総理の私的諮問機関「教育改革国民会議」(座長 江崎 玲於奈氏)は、去る3月15日、26名の委員を決定し、3月27日から審議がスタートしました。

 この「教育改革国民会議」の事務方ともいえる教育改革国民会議担当室(銭谷 真美室長)より、本会の土橋会長に、有識者の一人としての「教育に関する意見書」を提出していただきたい旨の依頼があり、4月7日に下記の意見書を提出しました。

 この意見書の概要は、他の有識者の意見概要とともに、5月下旬、首相官邸のホームページに掲載されました。官邸のアドレスを付記しますので、アクセスを試みてください。
     首相官邸ホームページアドレス       http://www.kantei.go.jp/kyouiku/

教育改革への意見

土 橋 荘 司

1. 日本の教育の理念を明確にすること。

  教育基本法の見直しを含め、主体性のある日本人を育成する教育の理念を「教育憲法」の制定により、より明確に示すとともに、国民挙って教育尊重の気運を高揚し、その実をあげるねらいから「教育の日」を制定すること。

(1) 我が国の歴史、文化・伝統や「不昜」の精神的価値を尊重し、日本人としての自覚と誇りをもち、国際社会の中で信頼と尊敬を得て、世界の平和と人類の福祉に貢献できるようにすること。

(2) 個性を尊重し、創造性の育成に努めるとともに、他人を思いやり、他者と協調・協力し、共生しながら、誰もが個性・能力を発揮し、基本的な倫理観や豊かな人間性をもち、生きがいのある人生を送ることができるようにすること。

(3) 日本の文化・伝統の研究を進めるため、国立の「日本文化研究所」を設立すること。


2. 学校教育について

  学校教育制度と教育内容を改善し、心の教育の充実を図るとともに、その職に当たる職員の資質の向上と待遇の改善を図ること。

(1) 学校体系の区切りや、学校種別間の連携の在り方を検討し、中学校、高等学校においては、じっくりと自己の生き方を見つめる進路の指導ができるようにすること。

(2) 高等学校卒業で各種資格が取得できるようにするなど、高等学校をより多様化するとともに、大学のレベルアップを図ること。

(3) 基礎・基本の確実な定着と創造力の育成に努め、学力の向上を図ること。

(4) 教員養成課程の在り方をより充実するとともに、教員免許状は、国の認定とし、研修や実績によって、上級免許が取得できるようにし、それに即し待遇も向上するようにすること。

(5) 心の教育の充実のため、義務教育の学校では「道徳主任」を必置とし、高等学校における道徳教育の充実を図り、市町村教育委員会には道徳担当の指導主事を配置すること。

 

3. 生涯学習社会の形成と充実について。

都市化、少子高齢化、情報化、国際化、地方分権化などの進展する中で、学校・家庭・地域社会、行政の教育に果たすべき役割と責任を明確にし、国民の誰もが学習することができるようにすること。

(1) 子弟教育の第一義的な役割と責任は親にあることを明確にし、親の自覚と責任や家庭教育の重要性について理解し、実践できるような施策の充実を図ること。

(2) 地域の住民のニーズに応え、地域住民のもつ人的資源や地域の諸施設、学校のもつ教育施設や教育力などの活用を図り、地域の連帯感を強め、地域の教育力を高める努力をすること。

(3) 社会全体のモラルを高めるため、地域や日常生活の中に埋もれている伝統・文化や優れた実践などを見つけ紹介すること。

(4) 情報伝達や各種情報の活用ができるようなシステムを工夫するとともに、有害環境や、有害情報などの排除に地域住民が連帯して積極的にかかわっていくことができるようなシステムを作ること。

(5) 地域内の教育に関する施設や団体等の連携・協力のためのシステムを作っていくこと。

4. 行政に関して。

教育は国家百年の計といわれるが、教育で最も重要なことは、人間としての生き方、在り方の問題である。人間として、何をなすべきか、何をしたらよいか、何をしてはいけないのかを身につけることであり、しかも、それは、人格の根源にかかわるものである。行政は、このことを認識し、目先の自称にのみとらわれず、施策の企画・立案・実施に当たること。

(1) 教育権を立法、司法、行政とともに分立し、時の政治や経済などに左右されないような行政改革を検討すること。

(2) 教育行政に携わる者は、特に、優れた人格・識見と先見性をもつとともに、全体の奉仕者としての意識をもち、被教育者の立場に立った施策をすること。

(3) 諸官庁などの職員の採用は、学歴にとらわれず、各人の個性・能力・適性に応じ、適材・適所に配置し、進んで学歴社会の打破に努めること。

(4) 教育にかかわる諸施策(文部省が中心になろうが、文部省のみでなく)は、全体の総合性と統一性を図ること。