全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
  • 文字サイズ
    標準 最大
  • 印刷
全 連 退 情 報         平成20年5月30日 第62号

先の教育再生会議の諸報告が、具体的に実現が図られるよう、実効性のある担保やフォロ-アップをねらいとして、政府は「教育再生懇談会」を設置しました。

当懇談会は3月以降会合を重ね、5月26日、第一次報告をまとめて福田首相に提出しました。全連退としては、再生懇談会における協議内容の重要性に鑑み、第一次報告が提出される前の段階で、総務部で慎重討議し、部長会にも諮って、3点に絞って意見をまとめ提出しました。

提出した全文を掲載します。


教育再生懇談会                 
座 長  安 西 祐 一 郎 様         

平成20年5月19日
全国連合退職校長会
会 長 土 橋 荘 司

教 育 再 生 懇 談 会 の 検 討 課 題 に 対 す る 意 見

今後のわが国の教育の在り方に、大きく影響を与える貴会議の現時点で予想される検討事項について、若干の意見を申し述べます。

今後の審議等に生かしていただくことを要望します。

1.公財政教育支出について
わが国のGDPに対する初等中等教育への公財政支出比率を米・英・仏国並みに増額していただきたい。
わが国の最大の資源は人材であります。教育は明日を担う人材育成に対する先行投資であり、将来、国家社会を益する力として大きく貢献します。国際競争が激化する中、今こそ、世界で活躍できる力を身に付ける基礎的教育の充実が急務です。

初等中等教育への教育支出額を、GDPに対する比率で欧米先進国並みの数値目標を設定し、その実現を期していただきたい。特に現在進行中の「教育振興基本計画」に、教育条件整備のための数値目標を是非盛り込むことを要望します。


2.幼児教育、家庭教育について

『親学』を推進していただきたい。
私達、全国の退職校長会会員は、長年にわたり学校教育の現場で、子どもの成長発達に密接に関わってきました。その過程で、親の存在とその在り方が子どもの成長発達に極めて重要かつ絶大な影響を与えることを実感しています。

教育基本法第10条・11条・13条が新設されましたが、その理念・精神の具体化には,先ず「親学」が必要と考えます。最初から完成された子育ての能力を持っている親はいません。子どもが0歳の時は、親としても0歳なのです。子どもの成長につれて、親もまた親としての経験を重ねて子どもと共に育っていきます。その意味で、子育ては「親育て」でもあるのです。

省みるに、これまでの国の多くの子育て支援策は、親・家庭の教育力を高める施策というより、親・家庭の教育力を他の機関で肩代わりし補助していこうという傾向がありました。

そこでこれからは、親の労働支援と共に大切なのが、親が親になるための支援である、という認識に立って「親になるための学習」「親としての学習」など『親学』を国の施策として推進していただきたいのです。


3.有害情報について
義務教育段階の子どもが通常の携帯電話を所持することを禁止する措置を講じていただきたい。
携帯電話による非情ないじめ事件や俗悪情報、さらに最近では学校非公式サイトとも言うべき、「学校裏サイト」による人格や容姿の誹謗中傷等のいじめも大きな問題です。子どもたちは携帯電話により、いつでもどこでもインタ-ネット上の情報に自分だけで接することができ、日常的に違法・有害情報に晒されています。わが子の携帯電話の利用実態を十分認識していない、或いは認識できない保護者も多い現状です。

この現状に鑑み、義務教育段階の子どもの所持する携帯電話は、通話とGPSを利用した「位置確認システム」のみの機種に限定することを望みます。