全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
  • 文字サイズ
    標準 最大
  • 印刷
全 連 退 情 報         平成20年2月7日  第58号
中教審 教育振興基本計画特別部会の
 「教育振興基本計画(案)」に関する意見を提出しました
昨年末に中教審の特別部会から、教育基本法に基づいた総合的なプランである「教育振興基本計画(案)」が示されました。全連退としても、急遽この案について会長を中心に総務部で精査し、部長会にも諮って、要望と意見をとりまとめ部会長宛提出しました。

提出した意見を掲載します。(紙面の都合で一部省略)

 平成 20年 1月 30 日

中央教育審議会                       
教育振興基本計画特別部会長
     三 村 明 夫 様               

全国連合退職校長会
会長 土 橋 荘 司

「教 育 振 興 基 本 計 画 (案)」 に 関 す る 意 見

委員各位の間断なきご尽力に敬意を表します。
貴特別部会が審議されている教育振興基本計画の、基本的な考え方や重点的に取り組むべき事項(案)について、意見を申し述べます。 今後の審議に生かしてくださることを要望します。


<はじめに>

わが国の最大の資源は「人材」であります。
教育は人材に対する先行投資であり、将来、国家社会を益する力として大きく貢献します。改正教育基本法の新しい教育理念のもと、今後5年先・10年先を見通した人材育成のあるべき姿を想定し、市場主義より教育の論理で応え、財政基盤を確実にして、具体的でかつ実効性のある教育振興計画の策定を切に希望します。


<意 見>

Ⅰ 「検討に当たっての基本的考え方」について

《1》『教師の使命と役割の重要性』 を強調する必要がある。
明治期以来、教育はわが国社会の発展の基盤として大きく寄与してきたが、人材育成の面で教師の果たした役割は極めて大きいものがある。教師の職務とそれに基づく教育作用の重要性を強調し、教育基本法第9条の規定にある 「教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなくければならない」 この主旨を、盛り込むことを要望する。


《2》『子どもの規範意識を育む』 を盛り込む必要がある。
物の豊かさを享受する中で心が荒み、科学の進歩の中で古き良きものの伝統を失い、個が強調される余り社会の基本的ル-ルをないがしろにするという、行き過ぎた自由と平等感が先行し,特に若年層の心のバランスを崩している傾向が強い。こうした現状に鑑みて、大人自身の厳しい自戒を前提として、今後の教育施策の目指すべき基本的な取り組みに「規範意識」の醸成を盛り込むこと。


《3》教育の一層の充実のため『優秀な教職員を確保し、必要な教職員定数の措置』 を盛り込む必要がある。
教職員が意欲と一定の余裕を持って、基本的な職務である一人一人の子どもに向き合える環境が保障されるよう、財政及び人的措置の裏付けが必要であり、このことを基本的考え方の中で強調しておくことが重要である。

Ⅱ 「重点的に取り組むべき事項」について

《4》社会全体の教育力の向上で『家庭、学校、地域、企業、団体、メティア、行政等』 を盛り込む必要がある。
学校、家庭、地域の三者の連携協力という、言い古された表現ではインパクトが弱い。教育再生会議報告書の表現のように、企業、団体、メディア、行政を加えることで社会全体というイメ-ジがより膨らむ。


《5》『フィルタリング機能の義務付け』 を盛り込む必要がある。
各メティアが、子どもの健全育成の視点を踏まえた報道や番組作成を行うよう健全な国民世論を形成しなくてはならない。先ずは青少年を深刻な有害環境から守るため、フィルタリング機能を義務付ける法的規制の導入が必要である。

《6》『親学』をより強調する必要がある。
教育の原点は家庭にあり、親は人生最初の教師であることの責任を深く自覚する施策が肝要である。親が育つことによって子どもが育つ。「親になるための学習」「親としての学習」など「親学」の視点をもっと強調する必要がある。乳幼児健康診断の折などに何らかの形で義務付けることも検討する。


《7》『実効のある道徳教育』 をより強調して盛り込む必要である。
道徳の時間は全教育活動で行われる道徳教育の要の時間であり、学校全体の道徳教育を充実させるため,年間を通して確実に時数を確保し、計画的に指導するよう制度設計することは極めて重要である。そのため、家庭や地域社会への働きかけも兼ねた道徳主任の必置等、校内指導体制や教員研修も含めて強調する必要がある。

《8》『必要な教職員定数の措置』 小見出しで、強調する必要がある。
本振興計画の中でも、質・量両面にわたる教職員定数を措置することが最重要な条件整備の一つである。小見出しに「必要な教職員定数の措置」の文言を付け加えるこ と。

《9》教職員の定数改善のため『個に応じた指導の推進』 を盛り込む必要がある。
今後は一層「個々に応じた教育投資」が求められる。「教育課題に対応するために必要な教職員定数の措置等」の説明文の中に、下記文言を付け加えることを要望する。
「確かな学力を育成し、学習意欲を醸成するため、習熟度別指導や少人数指導など個に応じた指導を積極的かつ適切に実施する必要がある」

《10》『特別支援学校にコ-ディネ-タ-の専任化』 を盛り込む必要がある。
地域における特別支教育のセンタ-的機能の確立と、小中学校等への支援機能の強化のため、特別支援学校に専任のコ-ディネ-タ-を配置する必要である。

《11》『大学入試の抜本的改革』 をより強調する必要がある。
大学入試は依然として初等中等教育の在り方や、児童・生徒の生活や学習に多大な影響を与えている。少子化時代に対応し、大学における学びと思索の成果を厳正に評価し、卒業認定を厳格に行い、「入るよりも出ずるが難し」の方向で、大学入試の在り方の抜本的検討が必要である。


《12》その他の事項
〇「重点的に取り組むべき事項」 1の(3)の冒頭の5行、表現が分かりにくい。
○「重点的に取り組むべき事項」 の中で、将来展望の持てるように可能な範囲で数値目標を掲げることも考慮されたい。(例えば、環境を考慮した学校施設整備、学校施設の耐震化等)