全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成19年9月21日  第54号
「教育再生会議の第二次報告」に対し要望と意見を提出しました
ご承知の通り、政府の教育再生会議は、本年6月1日、土曜日などを活用して授業時数を増やすことなどを求めた第二次報告をまとめ、安倍首相に提出しました。
  全連退としても、この第二次報告の内容について、会長を中心に総務部で精査し、部長会にも諮って、要望と意見を取りまとめ教育再生会議座長宛提出しました。
  その全文を掲載します。
                         

 

 平成19年9月3日

教育再生会議
座長 野 依 良 治 様

                     全国連合退職校長会
会長 土 橋 荘 司

教育再生会議 第二次報告に対する要望と意見

貴会議は、平成19年6月1日付けで、「社会総がかりで教育再生を・第二次報告」を公表されました。この間の委員各位のご努力に敬意を表します。
全国連合退職校長会は、その内容を検討し、ここに、要望並びに意見を取りまとめ、文書を以ってお伝えします。
貴会議の今後の審議等に生かされることを期待いたします。


1.要 望
第二次報告の「はじめに」おいて、改正された教育基本法を踏まえ、公教育を再生し、「教育新時代」を切り開くと述べられたことに、教育再生にかける貴会議の強い意思を感じました。ついては、特に、下記2項目について、関係省庁を含む新たな委員会を設置するなどして、総合的・横断的に審議され、政府に実効のある提言をされるよう要望いたします。

(1)教育基本法第10条「家庭教育」並びに第13条「学校、家庭、地域住民等の相互の連携協力」が、新たに加えられました。このことは、教育上極めて重要であると考えます。
そこで、この内容を、より明確に、より具体的に示し、実行できる方策を示されたい。
(2)財政基盤の確実な担保に全力を傾けられたい。
各学校は、切磋琢磨し、創意工夫し、教育の質を高め、国家社会の形成者を育む教育をいっそう充実しなければなりません。ここでの最重要課題は、強い財政基盤の確実な担保であります。財政基盤を確実にしてこそ教育改革のための条件整備が進捗すると考え、要望いたします。

2.意 見
(1)学力向上に関する取り組みについて
ア、諸課題の解決を目指し、年間授業時数の規定とともに、年間授業日数を明示し、授業時数の確保を図られたい。
・ 国際的な見地から総授業時数を、平成元年告示の学習指導要領(学校教育法施行規則別表)並みに戻す。
・ 総合的な学習の時間の時数は規定せず、各学校の裁量とし、基礎的・基本的な学習を徹底する。
・ 中学校の選択教科の時間数を縮減し、基礎的な教科指導の時間を増やす。

イ、現在、教師は授業の工夫や子供たちと向き合うための時間的余裕をなくしている。教職員の定数増を図ることが是非必要である。
・ 「少人数指導」や「習熟度別指導」等の充実のための教職員定数の確保が必要である。
・ 矢継ぎ早の改革で教師の職務は、会議や書類作り、評価資料の作成、保護者からの苦情への対応等々、事務的業務も増加の一途をたどっている現状である。これへの具体的対応が早急に望まれる。

ウ、特別免許状の急増は、免許更新制導入の趣旨と必ずしも合致しない。

(2)心と体・・・調和のとれた人間形成について
ア、すべての学校・教員が、道徳教育の在り方や意義を再確認し、年間を通して道徳の時間の特質を生かし、計画的に指導するよう制度設計することは極めて重要である。
・ 各学校に「道徳主任」を必置として、道徳教育を充実する。
・ 教員の養成期及び採用の初期段階で、道徳教育に関わる一定の実践的な研修を義務付ける。
・ 現行の道徳教育の在り方や基本的な考え方を大切にし、道徳を「教科」とすることは好ましくない。

イ、規範意識や公共心の育成は重要であるが、この点については大人社会の在り方も問題であり、これへの総合的な実効ある取り組みが必要である。

(3) 財政基盤の在り方について
ア、人材確保法による教員給与の優遇措置の基本を維持しながら、教員給与の改善を図る所要の経費の確保にご尽力頂きたい。

イ、将来の人材育成のため、「教育新時代」に相応しい思い切った教育投資の実現を図って頂きたい。
・ わが国のGDPに対する初等中等教育への公財政支出比率は、米、英、仏に比べて低い。近年、米、英とも急速に初等中等教育予算を増やしている。

ウ、学校を取り巻く環境はそれぞれ異なり、成果に応じた予算配分は、学校間の教育格差の拡大につながる恐れがある。財源の総枠の拡大が必要である。

(4)終わりに
わが国の将来を担う「人材」の育成に高い志を燃やしている教職員が、教職に誇りを持ち、胸を張って児童生徒の指導に専念できる教育環境の整備に英知を結集してい頂くことを切望する。