全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成19年7月25日  第52号
「学校評価の在り方と今後の推進方策について」の意見を具申しました
ご承知の通り、文部科学省の「学校評価の推進に関する調査研究協力者会議」は、本年3月、その中間とりまとめを行いました。

国は、その提言を踏まえ、本年6月に公布された改正学校教育法第42条に、学校評価についての規定をしました。

現在、前記協力者会議は、素案を基にさらに議論を深めているところです。
※素案は、B4、30ページからなる資料で、全連退に届いております。

このような状況下、平成19年6月29日、全連退に「素案」についての意見を文書で平成19年7月13日までに提出されたい旨、文部科学省から依頼がありました。

そこで、会長を中心に、教育課題研究委員会の田中昭光委員長に「まとめ役」を依頼し、総務省が加わり、急遽、意見具申の文章を作成し、7月13日開催の総務部会の議を経て、文部科学省に送付いたしました。その全文は、下記の通りです。


平成19年7月13日

文部科学省
初等中等教育局学校評価室 御中

全連退
会長 土橋 荘司

学校評価を行い、学校運営の改善と発展を目指すことにより、、教育水準の向上と保証をはかることは重要である。

全連退では、学校評価の推進に関する調査研究協力者会議における資料に基づき討議・研究したことを踏まえ、意見具申いたします。

  1. 「学校評価」に対する基本的な考え。
    本来、学校評価は各学校の自己評価が基本である。
    学校評価は、学校や一人一人の教職員のやる気を高め、よりよい教育活動を実践していく意欲につながるものにすることが大切である。

  2. 今後、審議してほしい課題。
    「学校評価」の目的を十分に踏まえ、「評価のための評価」になったり、「形式的な評価」になったり、「評価結果の公表のための評価」等にならないようにすることを要望する。

    ① 自己評価について。
     「学校評価ガイドライン」の内容の再検討と活用を図る方策の検討が必要である。特に、客観性と公正性、「全方位性」と「課題指向型」、「短期の評価」と「長期の評価」、「数量化できるもの」と「数量化できないもの」等の具体的な評価の在り方を検討する。

    ② 学校関係者評価 (外部評価)
      学校関係者により構成された委員会と学校評議員の関係を検討する。その際、学校評価のための事務量が増にならないようにすること。
    学校評議員=学校関係者 とすることでよいではないか。

    ③ 第三者評価
    当該学校やそれを設置管理する主体と関係のない専門家等が、自己評価および外部評価を資料として、教育活動その他の学校運営全般について、専門的・客観的立場から評価するとしているが、個々の学校についての評価は不可能である。

    従って、第三者の学校評価の設置の有無を含め、その在り方について慎重な検討が必要である。教育行政機関の「自己評価」を徹底して改善し、現行の自己評価、外部評価を資料として、設置者等が学校に対して必要な支援や条件整備を行えばよい。


  3. 評価結果の公表について。
    「自己評価」の目的は、教職員自らがその目標などの達成状況や達成に向けた取り組みの状況を検証することにより、学校の現状と課題について把握し、今後の学校運営の改善に活用することを目的として行うものとして定着している。

    結果の公表を前提として行ってはいけない。したがって、「自己評価」の結果の公表については、何を、誰に、どの程度、どう公表すべきかをよく検討し、ガイドラインにおいて明確にしておく必要がある。現状では、各学校では自校の教育活動についての情報(計画、評価など)提供は、定期的に、或いは随時に「学校便り」「学級通信」「PTAだより」等で行われている。

    安易に、すべてを公表することを義務づけることによって成績主義、競争原理が導入され、保護者や地域から学校に対する不満や信頼を欠くことになる要因になるおそれがある。

    改めて、評価結果として公表する必要があるのか検討すべきである。

    また、学校は、行政等からの調査や報告書の作成、保護者への対応等で本来の教育活動以外の事務的な処理で多忙である。その上、「学校評価」の結果の公表のためには、相当の事務量を必要とする。この結果、教育活動に支障をきたすことになっては、何のための「自己評価」なのかわからなくなる。学校の事務量の総量を規制し、事務量の軽減を図り、教職員が本来の教育活動に意欲とゆとりを持って専念できるようにすべきである。

  4. 退職校長の活用。
    退職校長は学校経営の責任者として、実務的には専門家であり、第三者として十分な資質を持っている。外部評価や第三者評価に際しては、退職校長の活用を図られたい。