全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成13年12月12日 第16号
「教育基本法の見直し」と「教育振興基本計画の策定」を中央教育審議会に諮問   
遠山 敦子文部科学大臣は、平成13年11月26日、中央教育審議会(会長=鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問)の第10回総会で、新たに(1)「教育振興計画」の策定、(2)新しい時代にふさわしい「教育基本法」の在り方の二点について諮問されました。

この諮問は、昨年12月に内閣総理大臣の私的諮問機関である教育改革国民会議(座長=江崎玲於奈氏)の報告の提言を受けた諮問です。

文部科学省は、両諮問事項とも一年程度で答申を得たい考えです。
ご承知の通り「全連退」は、平成13年3月19日に「教育基本法検討委員会」(委員長=山崎 裕司氏、委員6名)を設置し、本会としての意見などを纏めるための研究、討議を進めております。(平成13年12月13日の委員会が、第10回になります。)

以下に、今回の諮問理由(抜粋、要約)を情報としてお伝えしますので、諮問理由を読まれてのご感想や、ご意見、ご要望等を「教育基本法検討委員会」へお寄せくだされば幸甚です。
 
<諮問理由>

子どもたちの問題行動や不登校などの深刻な状況、社会性や規範意識の希薄化、過度の画一主義などによる個性・能力に応じた教育の軽視など教育全般について様々な問題が生じていると教育の現状、問題点を示した上で、今後の教育は、経済、社会のグローバル化、少子高齢化などの社会の大きな変化に対応することが求められると指摘している。

そして、21世紀において、我が国が明るく豊かな未来を切り拓いていくためには、社会の存立基盤である教育の新しい時代における在り方を考え、その改革、振興を着実に推進していくことが何よりも重要だとし、「これからの教育の目標を明確に示し、それに向かって必要とされる施策を計画的に進めることができるよう教育振興基本計画を策定するとともに、すべての教育法令の根本法である教育基本法の新しい時代にふさわしい在り方について、総合的に検討する必要がある」と述べている。
 
 
I.教育振興基本計画の策定について

先ず、「国は、中・長期的視野に立ち、教育施策を総合的かつ計画的に推進し、人材・教育大国の実現に取り組むことが強く求められている」と、その重要性を協調している。

この計画に盛り込むべき内容として、主に次の事項について検討する必要がある。

  1. 教育に関する基本的な方針としての、教育の目標や目標を実現するための教育改革の基本的方向。

  2. その目標を達成するために政府が実現すべき具体的な政策の目標と主要施策。
    (1) 初等中等教育の教育内容等の改善、充実。
    (2) 教員の資質向上と学校運営の改善。
    (3) 高等教育の整備、充実。
    (4) 家庭、地域の教育力の向上。
    (5) 教育の情報化、国際化、国際交流の推進など。

  3. 望ましい教育投資の在り方。

  4. 政府及び地方公共団体の役割、連携。     

の四点を提示している。
さらに、同計画の根拠となる規定を教育基本法に設けることを検討する必要があるとしている。
 
 
II.新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について

教育基本法の見直しについては、

第一に、教育の基本理念については、第1条(教育の目標)第2条(教育の方針)が示す普遍的な理念は維持しつつ、
(1)時代や社会の変化に対応した教育。(2)一人一人の能力・才能を伸ばし創造性を育む教育。(3)伝統、文化の尊重など国家、社会の形成者として必要な資質の育成。の三つの視点から議論する必要があるとしている。

第二に、教育の基本原則にかかわる条文として、第3条(教育の機会均等)、第4条(義務教育)、第5条(男女共学)、第8条(政治教育)、第9条(宗教教育)を挙げ、
<1> 一人一人の能力の伸長、<2>家庭の果たすべき役割と学校教育との関係、<3>男女共同参加社会の形成、<4>宗教的な情操の育成などの視点、観点から議論するよう求めている。

第三に、家庭、学校、地域社会の役割など教育を担うべき主体についての検討である。
ここでは、家庭や地域社会の役割の重要性を明確にすると共に、学校の役割、教員の使命について明確にする必要があると述べている。このことは、第七条(社会教育)並びに第6条(学校教育)についての議論のなかで行うことを求めている。

第四に、第十条(教育行政)については、国と地方公共団体の責務を明確にする観点で検討するよう要請している。

第五に、前文の取り扱いについてである。教育基本法には、法制定の由来、趣旨を明らかにするための前文が付されている。前文についても、法律全体の在り方に即して検討を行う必要があると考える。

また、学校教育法や社会教育法など教育法令は、教育基本法に掲げた理念、原則に則って定められていることから、教育基本法の見直しに伴うその他の法令の見直しの方向についても、必要に応じて、議論が必要であると考える。