全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成24年8月22日  第106号 
中教審初等中等教育分科会「小中連携、一貫教育に関する主な意見の整理」
についての意見
 
平成24年7月23日、中教審において検討されてきた標記の件について、主な意見の整理が発表されパブリックコメントが求められました。(「意見の整理」は中教審のHP)

以下、全連退として提出した意見の概要を報告します。
(全連退の意見の全文は全連退HPの「トビックス」をご覧ください)


1 幅広い交流による小中連携

 小中の連携・接続の推進は、それぞれの市区町村の地域性や教育事情など環境や条件により様々であるが、その中心的な狙いは、学校段階にかかわらずその生活や学習状況等について、適時適切に継続的な対応や指導が行われることである。特に小・中学校の校長・教職員、児童生徒、教育課程の三つの視点が重要である。

(1) 校長のリ-ダ-シップ
  小中連携、一貫教育のカギを握るキ-パ-ソンは校長といえる。小・中学校の校長間相互のコミュニケ-ション、先を見通したビジョンと具体的な計画性の共有である。学校の自主性・自律性を高める観点から、教育課程の編成をはじめ、人事・予算に係る校長の裁量権を拡充することも重要である。校長は豊な経験を基に教育活動をプラン化し、予算化する経営能力を磨くことが求められる。生徒指導や学習面において、小学校時代には表面化しなかった問題が、中学校で顕在化してくることも多いので、特に中学校の校長はリ-ダ-シップを発揮し、学区・近隣の小学校へ積極的に働きかけるなど、9年間を見通した子どもの成長・育成を図ることが重要である。

(2) 計画的な教職員の連携機会の充実
  小・中学校には長年にわたって培ってきたそれぞれの学校文化がある。このことに固執していては前進がない。それぞれの文化は尊重しながら、学習内容・指導方法や児童の扱いと生徒の扱いの差を共有し合い、小中連携・一貫教育の意義と目指す子ども像の共通理解を図る教職員間の連携・交流が日常的に必要である。
  生徒指導担当者の連絡会や研修会による情報交換を密に行うこと、各教科や領域等でも各主任会の合同実施、授業実践による研修も取り入れ、継続的に相互理解と認識を深め合うことである。日々多忙な業務の中で教職員の連携・交流は時間的に限られるため、長期休業期間の有効活用を図ることが必要である。

(3) 小学校での教科担任制の推進 
  中学校入学当初の学習指導や生活の激減緩和のためにも、特に、音楽・図工・家庭・体育 
の実技教科を中心に、高学年の理科や英語活動などにも、担任以外の専門的な教師との接触を増やすことが、中学校入学後の学習不適応の緩和にもつながる。この場合、近隣中学校で小学校免許証保持者の兼務辞令や乗り入れ指導の導入も積極的に行ことが効果的である。このことは当該教員の職能成長にも資することになる。
隣接校種の教員免許取得について「免許法認定講習」を「免許法更新講習」として位置付けるなど、教員の負担の軽減を図る必要がある。併せて、講習内容及び受講後の評価を厳密に行い、安易に講習を受講すれば取得できるということにならないように十分な配慮も必要である。

(4) 中学校1年生担任のデリカシ-
  中学校では、一般的に3年生を卒業させた学年教師が新1年生の担任や教科担当として任命されるという場合が多い。教師は3年生の複雑で緊張した卒業業務の冷めやらぬうちに、新入生を迎えることになる。不安と緊張感の中にある新1年生を迎え、その対応・指導に対し、受け入れ側教師自身にもある種の“中1ギャップ”すらあるのではないか。新入生を迎えるに際して、教師としての細かな配慮、気配り、デリカシ-の不足が新入生の“中1ギャップ”を助長しかねないことにも注意していく必要がある。
新入生を愛情を持って迎え入れ、スム-ズな中学校生活に移れるように、中学校側の新入生担当者としての細かな配慮と心配りを期待したい。

(5) 児童生徒の交流による人間関係づくり (省 略)

(6) 教育課程の連携・接続に配慮した指導の工夫
  教育課程の基準の特例について、小・中9年間の質保証を担保した上で、設置者の判断で小・中学校の教育課程を柔軟に編成できるような制度にすることが肝要である。
  「上手な勉強の仕方が分からない」「平日、家庭で勉強はほとんどしない」と回答する割合は、6年生から中学1年生への進級時に増加している(ベネッセ教育研究センタ-の調査)。学習意欲と学力向上のため、小・中の接続部分のギャップを把握したうえで、そのギャップを乗り越えることができるよう指導の工夫・改善をしていくことが不可欠である。この対策として近年、種々の実践が始まっている。

① 中学入学後1~2週間のうちに国・数・社・理の4教科についてテストを行い、小・中学校両校の教師で採点・分析を行い、両校で生徒の学力に関する詳細な情報を得て、双方とも今後の指導に役立てている地区もある。

② 入学式の翌日「進級テスト」を実施する。その準備のため「進級テスト用学習プリント」を春休みの宿題として課し、学力を早期に把握するとともに、学習への意欲低下を防ぐことも狙い、中学校への学びの接続を図っている中学校の例もある。

③ 3月の段階で小学校において「入学プレテスト」を行い、担当教科の教師が採点・分析を行い新入生の学力把握に努め、指導計画にも反映させている中学校の例など、教育課程面での課題解決のヒントがある。

2 校舎建築の国庫補助金

 校舎の一体化整備改築への国庫補助率を、小学校同士・中学校同士の統合の場合と同程度の1/2まで補助率を上げる必要がある。