全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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全 連 退 情 報        平成10年7月31日発行 第1号
教育課程審議会「審議のまとめ」に対して意見表明 
全連退・教育振興対策部は、平成10年6月22日に公表された教育課程審議会「審議のまとめ」について検討したところ、緊急に意見を表明することがらがあると判断し、常任理事会の検討を経て、平成10年7月6日に、教育課程審議会の三浦朱門会長宛、下記の意見書を提出いたしました。
今回発表された「審議のまとめ」は高い識見と広い視野にたち検討され、具体的であり、賛同するところが多く、まとめの作成のご苦労に心から敬意を表する次第である。
  我が全国連合退職校長会は「徳性を育む心の教育」を重点事業として活動を進めているが、この観点から特に道徳教育について若干の意見を申し述べたい。


1. 教育課程の基準の改善の方針、について。
  今次「審議のまとめ」1~(1)ウ「時代を超えて変わらない価値あるもの」を身につける。について述べ、1~(2)教育課程の基準の改善のねらい。の第一に「<1>豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること」をあげ、そこで育成されるべき資質や能力を具体的にされるとともに、国際社会の中で日本人としての自覚をもち主体的に生きていく上で、我が国や郷土の歴史や文化・伝統に対する理解を深め、これらを愛する心の育成をあげていることは極めて重要であり賛同するものである。

2. 1~(3)各学校段階・各教科などを通じる主な課題に関する基本的な考え方
  第一に〔道徳教育〕をあげ道徳教育の重要性について述べ、具体的な内容な方法についても記述されていることに敬意を表したい。特に我が国の文化や伝統を尊重し継承・発展させる態度や国際協調の精神の育成をあげていることには賛意をあらわす次第である。
  しかし、この中で 道徳的実践力 と言う文言が二箇所使われているが、従来は道徳教育の目標は「道徳性を養う」となっており、道徳的実践力は道徳の時間の中で述べられているので、混乱を招く危惧もある。また、道徳性のほうが道徳的な実践も含め広くとらえられるので、ここでは、従来のように 道徳性 とされることを強く要望する次第である。なお、学級における人間関係をはじめとする学級経営についてもふれる必要がある。

3. 2~(2)「総合的な学習の時間」について。
  今回新たに「総合的な学習の時間」の創設が示されているが、その学校における扱いが今後の重要な課題であると考えられる。「まとめ」では、若干の例示がされているが、ここに示されている自然体験やボランティアなどの社会体験、観察・実験などこの時間で行われる学習活動は道徳性の育成と深くかかわることが多く、道徳的な実践活動とも考えられる。したがって、ここでは道徳性の育成についての記述をされることを切望する。

4. 各教科・科目等の内容。について。
<14> 道徳教育 改善の基本方針の中で、教職員の意識の向上や校長の指導力の発揮、家庭や地域の人々の強力、未来に向けての課題を具体的に示されたことには賛同したい。また、道徳の時間は教育課程上唯一子供の心に直接働きかける時間であるので、道徳の時間を道徳教育のかなめとして授業時間数を確保されたことにも敬意を表す次第である。
  なお、イ改善の具体的事項(ア)例示は、下記のように記述されることを強く要望する。「ボランティア活動、自然体験活動、観察や調査、生や死の問題を考える活動、学校間の交流活動などを生かす工夫。実物に触れる活動、様々な立場について考える役割演技、コミュニケーションを深める活動、感性、情操をはぐくむ活動等を取り入れる工夫。学習の発展として学校図書館や公共図書館、博物館などを利用した学習の工夫。」

 
《4の赤字部分の説明》

 <14>道徳教育のイ.改善の具体的事項、その(ア)は道徳の時間の改善について述べています。原文は「ボランティア活動、自然体験活動、生や死の問題を考える活動、学校間の交流活動などを生かす工夫。観察や調査、実物に触れる活動、様々な立場について考える役割演技、コミュニケーションを深める活動、感性や情操をはぐくむ活動などを取り入れる工夫。学校図書館や公共図書館、博物館などを利用した発展的な学習の工夫。」ですが、道徳の時間は内面的な自覚を図ることがそのねらいであり、「観察や調査」は道徳の時間の指導になじめず、また、前記2の総合的な学習の時間の内容との整合性からも自然体験活動の後に入れることが適切であると考えました。

さらに、このままでは道徳の時間が博物館等の見学などにすり変わる可能性も考えられるので、道徳の時間の発展的な学習としての利用の立場を明確にする必要があると考え、「学習の発展として」を入れました。なお、地域の人材から様々な生き方や考え方を直接学ぶ活動は、ア、改善の基本方針の(イ)やイ、改善の具体的事項の(エ)等でも触れており、現在でも行われているのでここで特に例示する必要はないと考えました。

<HP掲載上の変更点>

・丸付き数字を<>付数字に変更(機種依存文字のため)。
・文中の下線部にあたる部分を、
後に入れることのように色を変え太字に変更しました。
・4の説明部分は、紙面上では網掛けでしたが、赤字に変更しました。