全国連合退職校長会(全連退)

設立 1965年(昭和40年)6月10日
Update 2014年04月10日
Renewal 2014年04月01日
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新刊案内心を育む学校の力 ~学校と家庭・地域の協働を生かして~ (平成30年3月)

この度、全連退では、全国各都道府県退職校長会の全面的なご協力を得て、第7回目の教育図書「心を育む学校の力」を刊行いたしました。本書は読み進むうちに、思わず核心に引き込まれてしまうような、全国津々浦々の珠玉の実践の収録です。多くの方々が、手に取ってページをめくってくださることを願っています。特に会員の皆様から現職の先生方にお勧めいただいたり、現職の先生方への激励本として贈呈していただければ幸甚に存じます。

書名  「心を育む学校の力」―学校と家庭・地域の協働を生かして―

内容
第1章 豊かな心を育むために
第1節 いじめ、不登校等への対応を通して
第2節 全教育活動を通して 
第3節 学校と家庭・地域のつながりの中で
第4節 道徳教育を進める中で
第2章 ことばの力や表現活動で心を育むために
第1節 心をつなぐコミュニケーション力
第2節 人の心に響く表現と感動体験
第3節 国際人として日本の伝統文化と生き方に触れ合う
第3章 協働・連携の心を育むために
第1節 家庭での子どもの生活習慣や交友関係等への支援
第2節 コミュニティ・スクール、チーム学校として
第4章 生涯にわたり学び続ける心を育むために
第1節 自己肯定感が得られる学び合い
第2節 学校・家庭・地域の教育力を高める学び合い

内容の特色
今、各学校においては家庭・地域との連携の中で、子供たちの健やかな心を育むために、全国各地で地域に根差した特色ある教育活動が展開されています。本書はそれらの活動を収録編集し、改めて全国に紹介しようというものです。
執筆者の特色
本書の執筆者は、各都道府県退職校長会の推薦によるもので、その分野のエキスパートとして活躍されている方々です。執筆者は全国都道府県に及んでおり、その実践も地域性のにじむ多様性に富んだものです。

出版
平成30年3月末 全国の書店で発売中
編著者 全国連合退職校長会 A5版・160頁 横書き
出版社 東洋館出版社
書店での販売価格 2000円+消費税

5冊以上まとめて、ハガキで全連退事務局へ申し込んでくださると、送料・税込み1冊1850円でお送りします。
全国連合退職校長会事務局 出版事業委員会宛て
〒141-0022東京都品川区東五反田5-21-13-308
 出版図書 『心を育む学校の力 ~学校と家庭・地域の協働を生かして~』の書評
その1
特色ある授業を紹介 「心を育む学校の力」 退職校長会が発行 東京新聞 平成30年4月25日
 児童たちが中心となっていじめに向き合ったり、NPO法人などと連携した学習支援に取り組んだりした全国の学校の授業実践を報告する「心を育む学校の力」(東洋館出版社)を、全国連合退職校長会が出版した。各都道府県の退職校長会などを取りまとめる同会は、数年ごとに学校教育にまつわる本を出版しており、これで7冊目。各地の会員や現役の校長、教諭らが書いた教育活動の事例を集めた。同会出版事業委員長の木山高美さんは「地域ごとに特色ある事例が集まった。保護者など幅広い人たちに手に取ってほしい」と話す。A5判、百六十ページ。二千円(税別) 
問い合わせは同会事務局=電話03-3441-8768へ

その2
新刊紹介 全国連合退職校長会編著 発行所 東洋館出版社
心を育む学校の力~学校と家庭・地域の協働を生かして~
全日本中学校長会 機関誌「中学校」平成30年6月号
 健やかな心を育むことを目指して取り組んだ、全国の幼・小・中・高等学校、五十一校の実践を掲載している。四章からなり、現代の教育課題をテーマとした興味深い実践が並ぶ。副題として「学校と家庭・地域の協働を生かして」とあるように、地域・保護者・異校種との連携の報告が豊富で魅力的である。例えば、滋賀県東近江市立市原小学校の実践では、学校を開くことで、子供たちの自己肯定感や多様性を認める心が育まれた。一方、群馬県みどり市立東中学校では、「AZUMA PRIDE」を合言葉として総合的な学習の時間を展開することで、郷土を一層愛するようになり、郷土を愛することが、自分を愛することにつながった。自己肯定感が低いことが、日本の子供の大きな課題である現代において、画期的な成果である。どの実践からも「子どもの心を育てたい」という熱い思いが伝わってくる。日々の学校経営を見つめ直し、再構築するときのヒントが詰まっている一冊である。

その3
「心を育む学校の力」発行 全国連合退職校長会 日本教育新聞 平成30年7月2日
 全国連合退職校長会はこのほど「心を育む学校の力 学校と家庭・地域の協働を生かして」(東洋館出版社)を発行した。「心を育む」を軸にした全国各地の50以上の実践事例をまとめている。高松市立亀阜小学校は10年以上前、いじめゼロに向けた約束「こだまの誓い」を教員と児童が作成。友達が嫌な気持ちになることはしない、トラブルが起きたら分かり合えるまで話し合う、いじめを見つけたら周囲に相談する、いじめを「しない!」「させない!」「見逃さない!」という気持ちで過ごす――といった内容だ。毎朝、各クラスでこの誓いを暗唱するほか、年2回「いじめゼロ・なかよし集会」を開いたり、縦割り班で「なかよし活動」をしたりしている。こうした誓いがあることで、児童には善悪の基準ができ、教員も指導の共通基盤ができブレが生じにくくなるという。子供同士でトラブルが起きた場合でも、まずは話し合って解決する姿勢が見られるようになった。岐阜県大垣市退職校長会では、同市生活安全課の「さわやかみまもり Eye」という活動に参加している。事業全体はパトロール活動をしている団体などにジャンパーや腕章などを支給し、防犯意識の啓発や犯罪の防止などにつなげる。同会の場合、居住地の小学校区の通学路であいさつ活動などをしている。子供へのちょっとした声掛けを通した「心を育む」取組だ。他にも学校、家庭、地域が一体となった活動や退職校長会による学校支援活動などの事例が多数掲載されている。
定価は2160円 問い合わせ=東洋館出版社 ℡03-3823-9206

その4
心を育む学校の力 全国連合退職校長会編著(A5判、 164ページ、2160円、東洋館出版社)
内外教育  平成30年7月10日

 「日本型教育」が改めて注目を集めている。モンゴルやエジプトではTokkatsu(特別活動、特活)が導入され、タイの私立学校では部活動の体験プログラムも始まっている。PISA(経済協力開発機構=OECD=の「生徒の学習到達度調査」)で好成績を上げ続けているのも、学習指導だけでなく生活指導を含めた全人格的な教育が功を奏しているとも評価されている。それもナショナル・カリキュラムというより、個々の学校で教員一人一人が子供と向き合ってきた蓄積の成果というべきだろう。本書はそんな思いを裏書きしてくれる。地域の伝統と文化を背景として展開されている「子どもの心を育む教育活動」についての実践報告を51本、各都道府県退職校長会を通して集めた。学校や地域の取組はもとより、退職校長が現職当時を振り返ったリポートもある。例えば、富山市の小学校では、外国籍の新入生の母親がいじめの疑いを訴えてきたのをきっかけに、全校で詩を書く運動に取り組んだ。それが「やさしさ運動」に発展し、いじめっ子が本来の優しさを取り戻すなど未然防止につながった。福岡県の中学校では、社会人が出勤前の時間を生かす「朝活」に着想を得たPTA役員の提案で「朝勉」を始めたが、子供たちに元気がないと感じたボランティアが声をかけると、朝ご飯を食べていないのが分かった。そこでスタートしたのが「朝弁」。これにより学習・生活習慣が徐々に定着してきている。「平民宰相」原敬の信条「宝積」(人に尽くして見返りを求めず)を校訓とする盛岡市の小学校では、情報機器利用に関して全家庭でのルール作りに取り組む一方、地域でも地区懇談会や子ども会で情報モラル定着の学習会が行われている。
 掲載された実践は決して派手なものではなく、せいぜい地方紙や全国紙の地方版でローカルニュースとして報じられる程度のものかもしれない。しかし、全国約5万校の幼小中高校などで大なり小なり行われている地道な取り組みが、次代を担う子供の心を育んできたことは疑いない。編集委員長の木山高美氏(元全日本中学校長会長)が「『学校の力』をつくづく感じさせる教育ドキュメンタリー」(あとがき)と評するのも、大いにうなずける。その木山氏も校長時代、アルミ缶の回収でネパールに学校を建てるボランティア活動で知られた。新学習指導要領では、資質・能力の三つ目の柱として「学びに向かう力・人間性等」が掲げられた。国際的にもカリキュラム・デザインとしてKnowledge(知識)、Skills(スキル)と並んでCharacter(人間性)が提唱されている。日本人が空気のように感じている日本型教育の良さと、それを支える日本の教師の底力を、教育関係者だけでなく多くの人々に理解してもらいたいものだ。(渡辺敦司=教育ジャーナリスト)